かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

白鳥士郎 りゅうおうのおしごと! 03 感想

生産性のない話が嫌いです。
不毛な話が嫌いです。

曰く、天才だとか努力だとか努力の天才だとか。
曰く、振り飛車だとか居飛車だとか。
曰く、ロリコンだとかロリコンじゃないだとか。
曰く、きのこだとかたけのこだとか。

つまりはこの巻はそういうお話なわけで。

いや、もちろん書き方で良くなることは承知ですし、
メインは才能が無い将棋好きの身の振り方という大事な話です。

一人は才能は無いけど将棋好きなのに親に止められた子。
一人は才能は無いし将棋もそんなにだけど親のためにやってた子。

うーん、大事だ!
ちゃんと書けば面白くなりそう!
ただ、振り返ると…
両者とも将棋の勝敗で決めるという王道展開なのですが、
結果から言えば二人とも、その将棋に勝っても負けても将棋を続けていた(続けることができた)だろうというわけでして。
挑むまでの覚悟は大事だけど、読後感がよろしくない。

あと竜王か。
銀子さんは桂香さんの将棋というか才能に一門として認識しながら憚ってた感じがありました。
竜王そんなのあったっけ?
1・2巻で才能モンスターの虜になるのはしかたない。
見落としてるかもしれないけど、じゃあ才能的にも年齢的にも危うげな桂香さんに対する気持ちの整理とかスタンスとかが感じなくて。何年一緒に過ごしていたんだと。
飛鳥ちゃん(とマエストロ)との関係を通しても見えてこなくて。
将棋が強い人しか興味が無いってキャラが居てもいいんですけど、
竜王、一門の絆とかちょいちょい言ってるんです。
なのに年下の姉弟子にも年上の妹弟子にも天衣にも、結構雑な扱いしてるように見えるんですよね。
それは紙幅の関係もありそうで、今回は二人の話に振り飛車や山刀伐~名人ラインのマイルストーン、研究の話とか盛りだくさんなのも一因かも。
作品として、巻単位で弟子(一門)の話に集中するか、竜王自身の順位戦・タイトル戦の話に集中するかしてくれないと、ちょっととっちらかった印象になっちゃうなあというのが今巻の感想でした。

以上、天衣の入門祝いが軽く流され桂香さんに奪われた私怨でした。

評価は下がって2。
メリハリを付けて、ラストの将棋の内容をもっと具体的に納得できるように描写してくれたら上がるかなあ。
キャラとノリだけで進まれるとそこが良くてもプロ将棋の部分で評価下がりそう。