かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

白鳥士郎 りゅうおうのおしごと! 05 感想

いやーいい最終回でしたね!
これにてりゅうおうのおしごと!完結です!


マイナビ本戦と竜王防衛戦で迄360ページ。おもわず「たっぷり!」と掛け声を出してしまうボリュームでした。


ハワイ

天衣ちゃん羽生られて可哀想なんですけど!!
「一門」の中に終ぞ含まれないのが微妙な立ち位置すぎて…そういえば一門歓迎会もうやむやでしたっけ?

ハワイということで何度かダイヤモンドヘッドの単語が出て、目次にもダイヤモンドとあったのでまさかダイヤモンド美濃でもだすの?
っと予想しましたが、見事に外れました。デスヨネー。

清滝Pは新田さんか…。新田さんが段級位資格取得するコラボくるです?

とまあ楽しく過ごしていました。
特に会長の出番が増えて硬軟併せ持つキャラがよく出ていて好きです。

姉弟子もですね…今回は水着パーカーという武器でしたね…単語単位で喋るのがグッとキますね…前回まではまだ負け戦ムードでしたが、もしかして本当にレースに勝つのでは?と思い始めました。

将棋のほうは、今回もよく分からないのですがあっさり負けました。
初戦ぐらい勝つと思ってたんすけどねー。逆に初日の観光テンションからの落差が辛い。

第二局

天衣ちゃん可哀想なんですけど!!
本当、相手しなさすぎていておじいさんから「末永く」とお願いされますけれどそれ幸せなの…?
たぶん会いにこなかったのも八一のためを思ってなんでしょうね…

第三局

ここまで対局がわろしわろしで三連敗。
もっと善戦させると思っていたのですが、思っていたよりも作者は落としてきましたね…。
今までは内容はともかくその才能は様々な人から認められてきたので、熱い接戦を描くかという予想は大きく外されました。
そしてさらに八一はどん底に落ちていきます。
この展開から気持ち的にも挽回方法ないのでは?と結構ハラハラしました。
あいとも別れることになるんですけど…マイナビ本戦にも付き添わないことになってしまって…
盤外で拒絶される天衣お嬢様可哀想なんですけど!!

あとさらっと姉弟子の防衛流されてました。竜王戦と被るのかあ。

マイナビ本戦

八一不在なのにあいちゃん気にかける天衣お嬢様お優しい!!

そんなあいは月夜見坂に負けるんですが、これもメンタル面の影響が大きかったってフォローですか?
まだまだ強さの上限が見えないんですよねー。
八一にはあっさり負けますけど、好調なら対月夜見坂戦はまた違った形になってたのかなあと。
そんな月夜見坂側からもまた八一の才能を認められる部分が出ます。
忘れがちですけど、すでに誰もが認める実力者なんですよね。なのに凹みすぎなのか、だからか。
自分を卑下しすぎると他の棋士の立つ瀬もないですね。本人にはまったく関係ないのですが。

で、さらに天衣ちゃんは予選に続き八一のためにがんばっているんですが…
彼女の口から銀子に対しても「同門」という言葉が出るのが泣けます…
女流棋士申請すらあいに譲るもん…そんなんできひんやん普通…
同時に勝って順番譲るならまだしもあいちゃん負けてますからね…

天衣お嬢様、盛大に報われて欲しい!そう思ってました…まだ…

対釈迦堂さん編

7四に打つか9四に打つかで勝敗がガラっと代わって、かつ八一はそれを見抜いていて、タイトルホルダーの釈迦堂さんがミスをするっていう状況。なんですが、毎度のことなんですけれどリアリティがあるのかよくわからないです。
釈迦堂さんがこの対局を大切にしている理由も不明ですし。
全局全力なら毎局リゼのストレートにならなイカ

とはいえ。釈迦堂さんにの「大切さ」は彼女に対してではなく桂香さんへのものだということは投了からわかりましたけれどね。
登場二回目とは思えない良い先駆者ポジションですね。

残りのモヤモヤもインタビューでチャラでした。
そうかー桂香さんがキーパーソンかーとこれも意表を衝かれて、終始作者に翻弄されている楽しさがありました。

それはそれとしてお世話するゴッドコルドレンはよい。心が中二になる。


で、それから八一は強い衝動で皆に会いたがるのですが…

桂香さんだけじゃない
俺の部屋を訪ねてきて、俺の力になりたいと言ってくれた姉弟子。
そして誰よりも健気に俺のことを思ってくれていた、あい。
今すぐ会いたかった。
会って謝りたかった。

あのっ!天衣お嬢様は!!!???
いや、そりゃ、顔は出さなかったですけれども、そーいう形の「支え」なわけで。
清滝師匠が挙がらないのは良いとしても弟子を持つ師匠としてこれはどうなのですか。

天衣お嬢様可哀想!!

第四局

はい、もう清滝一門として当然のごとくお嬢様は含まれてませんのですが、
大盤解説ということで山刀伐&鹿路庭コンビが登場しました。
鹿路庭さん前巻で好きになったので登場はうれしく、掛け合いも面白かったです。
山刀伐さんの同性愛ネタはロリコンネタぐらい苦手なので、彼もこういった方面で魅力を出してもらえるとうれしいですね。

あとやっぱり会長がノリノリなのも好きなので、前夜祭はハワイより好みでした。

で、もうここまできたら無理やりなんでも天衣と絡めるんですが、あいのお母さんとのやり取りで「末永く二人で」というお願いが出るんですよね。
それへの反応自体は書かれていないんですけれど、これ第二局で天衣のおじいさんが言ったセリフとほぼ一緒なんですよねー…セリフまでの展開格差がおかわいそう。

名人戦

ということで、後は熱く突っ走るだけでした。読む側も一気読み!
想像の中で一応天衣も出てきた!(しつこい)
しかもエンジンかかり出してから100ページほど残してましたからね。
対局の熱気、周囲の熱気までも伝わる名勝負でした。

終局直後の名人のインタビューに対する「大駒一枚強くなれた」は「心の角道開けていこうぜ」に続く名言ですね。

ただ、このセリフは今調べたらよくある言い回しのようですね。
ひふみんは握手するだけでもと言われております。

加藤一二三の魅力 − 証言

そしてラストシーンはあざと過ぎるほどのあざとさ。
もう言うことないんじゃないですか?

観戦記&感想戦

まさかこの作品で叙述トリック?食らうとは思ってもいませんでした。
私はてきとーに鶫(つぐみ)と読んでいましたが…アニメではどうなっているんでしょう。
名人も徹底して描写を減らされていて、それが最終局面での効果的な演出に繋がりました。(まあ名人は羽生さん重ねればだいたいよさそうでしたが)
なので、感想戦を含めて思いもよらず「小説を読んだなあ!」と良い読了感に包まれました。
ストーリーやキャラではなく、ある意味盤外戦術な小説という部分に完敗した気分です。

しかしずるい…作者ずるいよ…


と、いうことで名作5つ星。
天衣の扱いや女性陣との棋力差等小骨はあるものの、熱量で押し流したかのような。
続きが読みたくなくなる珠玉の出来でした。

…でもねー!やっぱり天衣の扱いは許せんでしたからねー!登場巻からほぼひたすら放任で報いてなかったですからね!続巻でもうちょっとフォローして欲しいですよね!
それを期待して読みますよ!
今までは既刊の表紙飾ってなかったので不安でしたけれど!最近でた9巻が二人のツーショットなので!
少なくとも!9巻までは!