かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

白鳥士郎 りゅうおうのおしごと! 04 感想

イカちゃんかわいいげそ?
イラストはメガネバージョンのほうが好きでした。

てなわけでマイナビ女子オープン戦デス。
女流大会なので今回も新キャラがいろいろ出てきて、姉弟子ががんばったりと華やかでしたね。
男性棋士の渋い感じも好きなのですが、今回はほぼお休み。

祭神雷

途中ヒカルの碁の単語が出ましたしネット将棋つながりということでそこらあたりをサイの字にかけたんでしょうか?神の一手で神の字までも??そこからなんでイカ娘!?なんてね。

ですが、祭神雷。今までの女流タイトルホルダーは全員結構好きでしたけど、このキャラはあんまりピンと来なかったですねー。
ぼんやりしてます。予測不能なキャラだとは理解してますが。
彼女の望みが八一と将棋(しつづけることが)できたら(強くなれるから)いい。
なんですけど、じゃあ超自己中心的な彼女がそれへ向けて最短距離で八一へ迫っているわけでもなく、名人含め他の人に迫ったりせずに理事会の言いつけ聞いて接触を控えたりこうやって女流で指しているのはなんなんだろうね?と不思議に思ったり。
究極のエゴイズムと称されていますが、行動はさほどでもないのでは?
っと気になっているのかもしれません。

なので、対戦相手としてもちょっと燃えなかった、かな。
芯を外しているので盤外戦術のセリフもろもろが小悪党の域を抜け切れなかったです。
ここまで来るとあの対局は狙って書かれたものな気もしますけれど。
あい相手なのも空振り感があったのかもしれません。あいちゃんメンタル強過ぎです。

鹿路庭珠代

わかりやすく裏がある、まっすぐなキャラで好きです。
あ、そうか。もともとそういうキャラが好きで、イカちゃんがふらふらしてるから微妙なのかなって書いてて思ったり。
うっかりすると小粒なかませ犬で終わりそうでしたが、次巻での活躍含めて昇るための努力をしているというのはとてもよかった。

あれですかね、ごくたまに見る野球などの実況で元プロが下手な解説しているとムズムズしてしまうフラストレーション?に対して業界を見据えて司会業にも研鑽を積んでいる姿がよい。
「将棋さえ強ければ」というのは是だったり非だったりで、今回の祭神雷には釈迦堂さんが非と言っております。
とはいえ強くなければ…という部分で両輪に全力を出していると明言されたキャラだから。といったところですか。

そういった部分を間を空けて書かれているので、いろいろ美味しかったな。

ビジュアルはもっと厳しい顔がよかったです。逆に言えばここから崩す余地があります。デスノートのキラのような顔の落差が描かれると個人的にうれしいです。(小畑さん関連になってしまった)

(ものすごくもったいないのですが、一番いいシーンであるはずの「けどね? 私、辞めないよ」のシーンでハッシーの物まねが浮かんでしまって…単語の構成がピッタリなのが悪い!)

桂香さん

時期が空きましたが、たしか前巻でも苦言を放ったような…
今でも桂香さんはプロの道を絶たれてほしいと思っています。
でも、まあ、上手くどん底から成功する道もまあまあ許せる(何様)とも思っていたのです。
ですけれど!前回あんなに苦悩した道が途切れるという部分を、今回はぽっと出の香酔千というキャラにおっかぶせてしまいました。
「棋界には取り返しが付かない厳しい現実がある。だけどそれはそれとしてメインキャラクターにはその道を歩ませないよ」
っという風に読めてしまって、スケープゴートですよねえ。
代わりに桂香さんには仲間に止めを刺すという苦行が科されたわけですけれど、読者が思い入れの無い初登場キャラクターを代わりに引退させるのならば安いものですよね。

サブキャラクターは物語の世界を広めますし、棋界の様々な面を描けると思います。
メインキャラクターが出来ないこと。すごいこと悪いこともさせられます。
だけどメインキャラクターにさせたくないことを代わりにさせちゃ微妙かなあ。と。

というのは桂香さんが弱く負け続けるストーリーが見たいというただの一読者の願望なので、なので…
そう受け取ったとしか言いようが無いだけですね。

地の文で活躍が約束されたので、以後は才能開花ルートを楽しみます。

釈迦堂里奈

えーっと、まあ歩夢くんが好きなので女性版ということでよいです。
足が悪い、というキャラ付けはすごく便利だということを、平行して読んでいる彩雲国物語の鄭悠舜ともども感じます。関係ないですね。
本人だけではなく回りの人の描写を引き出したり飲み込ませる何かがあるというのはよいです。
将棋特有、でもないですけれど、正座との関係性があってよりよいですね。

っとよいよいよーいのキャラなのですが、タイトル保持期間だけでも20年近くということで、比較的高齢なのです。
一方ビジュアルは若いので、読んでいる最中に脳内でおばあさんになったり20後半ぐらいになったり、ハウルのソフィー現象に一人苦しみました。
歩夢くんとの絡みの美しさを際立たせるならもっと老けている方が私好み…

ゴッドコルドレン

彼とは関係ないですが、彼と八一の研究会シーンは、ああいうのはあまり好きではありませんでした。
実話を元にしたのかはわかりませんが、少しファンタジー度合いが私には過ぎたかな?

これも関係ないですが、名人の悪手シーンもちょっと説得力に欠けるかなーって。

彼は好きですしポテンシャル高いと思うのですが、将棋シーンで完全に活かしきれていない気が。
今回はそこを師匠との絡みで補えたのはよかったなあ。というのは銀子にも同じことが言えます。

銀子

だんだんと将棋以外は最高のキャラになっているような…
いいぞもっとやれ!由緒正しい?ツンデレだ!
などと供述しており拍手喝采しているもようです。
ちゃんとデレた後に肉体攻撃ありの怒りシーンがあるのが王道ですね!
ある意味八一がまっとうにどきどきできる相手なので、そこらへん含めて応援していますよ!
今回は衣装でしたが、今後無理やり引っ付けるイベントアイテムがあれやこれや出てくる展開も吝かではないです。
今まで将棋の部分でいろいろ不安定でしたが、今回でひとまずかわいいの大黒柱を打ち立てられたかと。
どうもあいへの意地悪と男女棋界の違いの橋渡し的役割が多かったので。
タイトル戦まで描かれれば将棋部分の魅力も出せるかな?

感想戦

棋士のお金てぇのは難しいものがある気がします。
高校生前後の一般的男主人公がたかられまくる展開もうーん…ですし、
狼と香辛料でロレンスがわりと散財していたのもうーん…でしたし。

その点棋士の主人公となると畢竟才能もあり対局もたくさん勝つので資金は潤沢です。
3月のライオンでもがっぽり稼いでますが、庶民的な暮らしだったりイジメのときは金に任せそうになったりしてました。
感想戦で懐事情がちょいと垣間見えましたが、じゃあポンと出してあげれば?と怨嗟の声が出ました。
しかしじゃあと高級マンションに住んで良い服着ておいしいものを食べていれば(お話として)いいわけでもないので、塩梅が難しいですよね。
お金のにおいはさせず、かといって面白くなる部分でお金を惜しまない(食事や移動手段や友人同伴)ことにしておけばいいので都合はとても良いんですけれどね。

結論、金を誇らず金に悩まず行動に対して大盤振る舞いしてくれていれば良いと思います。
現代もので若い主人公かつお金持ち、というのは貴重なので、どんどんステーキやきゃにを食べればいいんじゃないでしょうか。

でも着物を惜しむ姿はくずいぞ八一!


(真面目な部分の)解説部分と鹿路庭さんがよかったです。
将棋って将棋を知らない人でも楽しめるように解説やおやつタイムを押し出している印象がありますが、今回も解説のやりとり部分がよかったのです。

あいと天衣は今回も終始安定していて、特筆しづらいのですが、ちゃんと可愛いので。
まだまだ才能で押し通す二人の今後も気になりますね。

次巻はマイナビ竜王戦にと転機になる巻で期待です。