かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

谷川流 涼宮ハルヒ 01 涼宮ハルヒの憂鬱 感想

シリーズはむかーしに憤慨まで読みまして、アニメは1期まで(流石にエンドレスエイトは付き合いきれん)。
消失アニメはいつかみたいなー程度です。

で、結果シリーズの評価としては
「憂鬱と消失(+笹の葉ラプソディ)(+サムデイ イン ザ レイン(アニメ))」以外読む必要なし!となりました。

しかし消失まで進めるのはつらいので、憂鬱だけ本とアニメを何度か見返している。

今回で4か5読目かな?

やっぱりめちゃくちゃおもしれーんですよね。
大賞わかるーってぐらいに。

ハルヒは豪放で繊細でリアリストで、その気持ちは普通に理解も共感も出来るキャラ立てですよね。作中でも何度も言われてますけど。
そもそも行動理由(の根本)を自分から口で明言してますからね。
初めて読むときはやっぱり奇妙なキャラに見えるかもしれませんけれど、付き合い長いと愛着がわいてくる。
「そりゃ健康な若い女なんだし身体をもてあましたりもするわ。」好き。
キョンハルヒと一緒で、読者が大体一度は経験したことあるような気持ちの、ハルヒとは違った現実寄りのいちルートを辿った高校生で。
どっちにも感情移入できるタイプの小説。
ハルヒも主人公していると無理目に言ってみたい。

キョンは今ではやれやれ系言われとりますが、やっぱり独特な一人称視点の地の文が魅力的ですよね。
アニメがそこを他の小説原作より良く拾っている(気がする)ので、
意外と小説版の読み直し期間が空いたにもかかわらず地の文量に充足を感じないというか、アニメで十分補給できていたことに気づいた。
地の文で実際に喋りまくっている表現は小説・作品独特で心地良いのですが、なれるのに少しページ数が要りますね。

サブキャラもやっぱり好きで、
長門はまあ綾波系でくくってもいいと思うんですけど、
ちゃんと?した綾波系というと語弊があるけれど、
しっかり無感情。…でもない。キャラって寡聞にして案外多くないんですよね。綾波系と呼ばれるキャラでも。
だから、微少な感情の動きの表現の良さって実は貴重で、それを満たしてくれるのが長門かな。
それから確か、ハルヒが「有希ちゃん」呼びしていてちょっと驚いた記憶が。

古泉はめっちゃ好きです。個人的に。
あーゆー一歩引いている風に見えて場を愛しているキャラ好きの原点かもしれない。
メグとセロンのニックとかね。
終盤の「僕が生まれるようなことがあれば、よろしくしてやってください。」とか飄々としちゃうところも含めて。
後作になりますが、(もろもろ込みこみでも)キョンはもうちょっと付きやってやれ。

朝比奈さんは…当時から扱いに困っているんですが、やっぱりマスコット以上ではないですな?
ただハルヒの良くも悪くも性格が垣間見えるキャラで、髪を編み込むシーンなどなど好き。

それにしたってコンピ研はひどいが。

気になる点

そうそう、物語は非常によく出来て進行してるんですが、やっぱり気になるところがいくつか。
ハルヒは常識を持っているように書かれているのに、PC強奪などこーゆー部分はなんなんでしょうね。ネットにたくさん考察はあるんでしょうが。
それから長門という個体がキョンを気に入る動機付けも読み返すとちょっと弱いかなあという気がしました。
少なくとも助けられるまではそんなに積極的な好意は向けてないし、助けられた後も長門に好意を寄せられるほどのことはしてないような…?
ハルヒのことを差っぴくとうーん。あの時点ではキョン(ハルヒ)の帰還はSOS団の存続なので、そっちのほうに重きがあったのかな?三年間の孤独。
で、同時に朝倉さん襲撃はちょっと雑?だったかな。
ナイフはビジュアル面を重視したのか深い意味があるのかはありませんが、寄せ手とあわせてちょっと宇宙人にしては違和感がありました。
さらに長門SQLね。当時は知らなかったからなんともなかったですが、今読み返すとなぜSQL…。
これはちょっとしたギャグですよ。

ラストが珠玉

まーしかしなんと言っても締めですよね。
最終章のラスト、めっっちゃくちゃ好きです。
あそこで終われ!って読み返しても思う。
が!そっからエピローグの締めがですね、また良くて、ですね、
これはずるいわ…と読み返すたびに思えます。

ネットの影響

アニメ版を見ると小説の脳内映像もそっちに引っ張られることは多々ありますが、
今回は朝倉襲撃シーンでMADに引っ張られて思わず笑ってしまいました。
それがこちら。

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クーラーの人ですね。ゲージ吸い込みはのちに実現したりしてて見返しても面白い。

「死ぬのっていや? 殺されたくない? わたしには有機生命体の死の概念がよく理解出来ないけど」

これを読んだとき、脳内で極々自然に語尾がねんになり、気づいて笑ってしまいました。

ついでに当時好きだったハルヒ関連を挙げておくと

www.nicovideo.jp

これが古泉好きを加速させた原因+音声素材実況好きの走りですね。

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これも本当大好き。
クレジット無し版から見たのでそっちのほうがキリが良かったり、曲が実はカットされていてこのバージョンのほうが好きだったりいろいろ…。
再生数も非じゃないです。
消えた動画の2008年07月18日 20:19 時点のマイメモリーがありましたが、そっちは1,769,216再生だったので、今更このページにたどり着く人は知ってるか…。

他に漫画として

http://www.almostdeadbydawn.com/log04.html

殆ど死んでいるはローゼンと合わせてすごい影響受けました。
ハルヒかわいい。

ハルヒかわいいの人は今や響 〜小説家になる方法〜で大成功してますし。
カブッテ宝ナシも好きで、ちゅるやさんもナツカシス。
ここらへんの影響でSOS団ってすごい和気藹々な印象が刷り込まれてます。

ただ、コミカライズ、ぷよやキョン子まわりは一切触って無かったです。

作品の感想とはずれてきましたが、社会現象まで行く作品に触れることって普段ほとんどないので、積もるものがありました。
ちょうど2018年になって、10年前を回顧している形ですねえ…。


そんなこんなで、何度読んでも面白いこの作品はやっぱり星5つ。
名作と言います。
シリーズの現状はいろいろありますが、自分は憂鬱で完結がベストだと思っていますし、完結でも良い作りになっているので、本当、読んだこと無い人は読んで欲しいなあ。