かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

佐藤大輔 皇国の守護者 03 灰になっても 感想

ままならぬ
ああままならぬ
ままならぬ

楽しい楽しい大隊編成もつかの間、戦に投げ込まれる新城さん。
きっと彼の頭の中にはあれやこれやがあって、調練パートも面白くなるはずだったんですけどねえ…。

ばっさり切って上陸戦です。
しかしこの巻、さっぱり頭から抜け落ちていました。
話的には新城の活躍が少なく、まあ相変わらずの負け戦。
辛酸舐めるだけなので、かっ飛ばしても良かったかな?次巻自体がまあまあ飛ぶので。

ただし登場人物的には、
中・後半の主人公である草浪・佐脇・冴香の登場巻でした。
佐脇は後を思うとてめえこのやろう!なんですが、
ぜつみょーに俗物にならない程度の凡なる秀才っぷり。
若菜とは違うのだよ。
しかし兵が優秀なのが一助なんですが、それもうれしくない動員ぷりでしきりに地の文サンに指摘されてて可哀想。
冴香はね、色気がすごい。新城さんの情欲がすごいともいえるけど。
この頃はまだデレてない、忠信・挺身がない貴重な期間なので。
後半の巻は仕方ないけれど女で信者っぽくて少し苦手です。

一方帝国側は…今回は帝国の話でしたね。
葉巻横咥えがかっこいいのに翼竜にまで乗っちゃうあざとい人が出てきたり、
参謀と良い感じだったおじ様が無くなったりしましたが、
ひとまず明確にユーリア様の戦略家としての手腕が明確に書かれた巻でしたかしらん。
北領でも十分すごかったですが、帝国の特徴的側面(≒皇国の弱さ)もあったので、今回の主導的な指揮ぶりで魅せた。かな?
書いてて思ったのは、カミンスキィの出世は負けて出世する新城との対比になってるのかな?
守原と違ってこっちも憎め切れない敵役で、趨勢が気になります(忘れてる)。

ってことで、新城があまり活躍しないので星3つ。
本当に大隊編成編で一巻書いて欲しかった。