かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

白鳥士郎 りゅうおうのおしごと! 01 感想

読むまでのいきさつ

本も出会いが肝要とはいいますが、久方ぶりにいい偶然で読むことになって、感謝した。

  1. りゅうおうのおしごと?ああはたらく魔王さま!系ね。ちょいと流行おくれじゃないの?
  2. 将棋の竜王か!すまん!詫びに読みます!
  3. 白鳥士郎…?あ、のうりんの人か…エロパロ苦手でスルーしてたんだよな…同じノリはいやだな…
  4. でも三月のライオン好きだし、王手桂香取りも1巻だけだけどそこそこ面白かったし、悪くないかな?
  5. でも小学生お世話ものか。紅かな?
  6. (口絵見て)銀子さんお久しぶりです!やっぱり紅か!
  7. (次の口絵見て)うわあああ! ロウきゅーぶ!だったあああああ!!!

4時点が結構前だったのですが、たまたまアニメ化のタイミングに偶然読み出しました。

序盤きついよね ‘

一抹の不安を覚えながら読みはじめ、プロローグはセーフ。
が、本編始まってすぐそっ閉じしようか本気で悩んだ…悩んだ…
一番大事なつかみがあれって、ドン引きしたらグッバイでもよろしいですよね…

がんばって読んだけどさ!
タイトルの勘違いがなかったらやめてた!

中身は意外にまっとう

でもそこ乗り換えると普通に面白かった。
キャラで盛ってるようで、そうでもなくて、将棋部分がめちゃ面白い、わけでもなくて。
真面目に書かれた小説という印象でした。(固いって意味ではなく!)
棋界のシステムから土地場所の描写が丁寧で、知らない人でも楽しめる。楽しめた。

あいちゃんはややフィクション幼女過ぎるけれど、ちゃんと可愛い。
九頭竜くんは尖ってはいないけれどキャラ立ちしている。登場人物のグルー役でありながら自分の物語も出来てると思う。
銀子さん贔屓目で好き。チョーカー入れたことはほめたい。

物語もこんなにまっとうに真面目に進むのか!と。 ・逆に最初のあれはなんだったのかと首を傾げたいほど王道というか、熱血?ではないか。
よかったです。

も少し登場人物

銀子二冠好き。距離感もキャラデザも好きで、やや無表情系なのがツボです。
あいちゃんに負けないといいですね。
歩夢くんも、普段はああいうキャラ、すごい苦手なんですけど、彼は案外平気でした。
(小説として)重要なプロ棋士の対局シーンを彼なりに盛り上げてくれた敢闘賞でしょうか。
これが名前無し相手の静かな、盤面解説だけの対局だったら、どうだったでしょう。
自分は嫌いじゃないと思いますが、作品としてはゴッドコルドレンで方向を諒解できた気がします。

将棋は難しい

やっぱり、作中でもありますが、現代将棋ってイメージとしてかなりカリカリになっていて、事前研究メイン的ものがあって。
それでいて対戦中の感情・テンションが試合に影響するのも確かなんだけど、
じゃあ対局中に外野が声をかけられるかというとそういうわけでもなく…

すごく劇作が難しいジャンルだと思いますです。
そこらへんを濃い目のキャラ付けでカバーしている、のかな。
しっかし存外読んでいて盛り上がっている自分がいます。
上手くできていますが、続巻でもどう魅せてくれるか楽しみです。

口調よしわろし

大阪モブのこってこての関西弁、舞台設定のみはリアル寄りなので少し引っかかったけど悪くない。
逆にメインのクズくんと銀子さんが標準語だったりこってりしたりで、んーバランス難しい。
ただ、「クズくんの協会の回し者口調」の地の文は面白かったので、3種ぐらいの口調も良いアクセントになっているかな。

評価

4つ星。続き読みたい。
先入観や作者独特な部分が合わないところもあったが、丁寧な面白さで詰められた模様です。参りました。

ただし他の小学生があいちゃん周辺に侍るか九頭竜くんの周辺に侍るかが分岐点。
あと銀子登場量…

アニメ化知らなかったんですが、ネット上でのネタバレに気をつけたいですね。
アニメで十分魅力を引き出せそうなので、アニメ見るだけでもよさそうな作品ですが。

西遊棋ってネーミング好き。