かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

伏見つかさ 俺の妹がこんなに可愛いわけがない 12 感想

完結。ですね。ですか。
最近の電撃は信用できないからなー。
みーまー新作とかね、うわさで聞いたけど、怖くてググれないから。

終わり方

ん?ん?
私たち普通の兄妹に戻ります!
でいいんですよね?
表面読むだけでは。
ん?え?
んー?
ふたりが、納得してるから、OK?
この作品のテーマっぽいのって、
「好きなものは諦められない」
みたいなものなかったですか?

オタクはやめられない
親友も捨てられない
友達も好きな人も大事
恥も外聞も捨てて妹を連れ戻す
異常と言われても好き
好きでいることだけは、やめない

って感じで。
だから京介氏は何度も叫んできたんじゃなかったっけ?

ゲームじゃないリアルで諦めきれないものを良くも悪くもどっちに転んでも貫くのが最終章の見せ場、だと、勝手に、思っていた。
予想を裏切るどんでん返しなら成功ですけどね。
真摯な非倫理的思いにどう向き合うか、に期間限定です。はちょっと、いやかなりぶん投げに感じましたね。
その前提があったと知ったら、麻奈美氏に対して京介氏が啖呵切った「知るか!」が、なんか、重み無くなった。
今後どうするかは本当に「知るか!」だった。だってやめるんだもん。
エロゲーの主人公のほうが立派に覚悟決めてるじゃんってなった。
しかもあの吹き込みまで聞かされて、
あのあと一生仲がいい兄妹で終わるとは思えないじゃないですか?
12巻まで付き合ってきた身として?(十年後も普通っぽい?らしいですが)
だからエロゲーの主人公たちが向き合ってきたものを、俺妹は紙面の外、書かない未来に投げ捨てたのかな、とも思った。

そう考えれば一番悪いのはエピローグかなあ…。あれがなければきれいな未来もまま、自分の中で持てたかもしれない。

思い返せば最終章はずっと読み方間違ってきたので、ちょっと、
読み手原因でもったいないことになってしまったと反省でもあります。

畳み

サブヒロインはほぼ全員告発玉砕の体で終わりましたね。
潔いですが、まあ告白以外で恋が終わるのも一人ぐらいあってもよかったかな。
ちょっと雑な精算に見えました。ちょっとね。
2章があやせ氏過去編から始まって黒猫氏、加奈子氏と全部入りで不安でしたけど、
その分ページ数が多かったのでそこはよかった。

なんだかんだ愚痴ってますが、あやせ氏よかったし、加奈子氏も初期からかなーり伸び白あったしで。
読んで面白かったし、これはこれでひとつの締めだと思います。

きりりん氏も終始よかった

です。
恋人期間の妹と彼女の機微が非常によかったと思います。
こう、なんていうか、くすぐったさ、みたいな。
妹をずるく使う、感じ。
ちょー愚痴愚痴言ってますけどさー。
伏見つかさ先生めっちゃ 可愛い女の子 書くの上手くないですか?
それだけで読んじゃうし許しちゃうしにやけちゃうし。
ずるいわ。

鞍替えします

なお最後になりますが、私は俺妹では櫻井派になります。
わずか二巻(この巻9Pしかないですけど)でかっさらわれました。本当にありがとうございました。
櫻井氏はファンディスクでも攻略できない人気あるサブキャラクター感を覚えました。
スポット参戦ゆえの短期決戦集中投下のせいかもしれませんが、すごく引き込まれちまった。
ゲームもルートないですよね。流石に。

まとめ(シリーズとして)

女の子可愛い!で走りきったと思います。
女の子との絡みは飽きなくサクサク、ずっと楽しく読んでいました。

最終巻、アニメ最終回当時、積極的にあさっていたわけではないのですが、
ある種覚悟が決まっていたので、ネットでよく見かけた「気持ち悪さ」はそんなに感じなかったです。
近親相姦はまあテーマですし京介氏が(肉体関係まで行かなくても・期間限定でも・葛藤無し…でも)受け入れるのはいったん良しとしました。
そもそも序盤から単純に京介氏の株低かったので。最終巻でことさら、はないかな。今更。

巻毎の問題解決が(自分としては)てきとーだったので、道中を楽しむエンタメとして、オチに期待していなかったのかな。

…書いてると作品に対する期待値低いなー…

恋する女の子を楽しむ作品としては良いです。
欠点を理解すれば補って余りある長所です。
そこは作品の狙いだったとも思うので、成功・失敗で言えば十分成功したでしょう。
商業的にもね。
だから、自分は4つ星です。
また読んでニヤニヤしなおしたいシーンがあるからですね。

ネタバレされずに読むかどうかで非常に評価が分かれる作品だとは強く思います。
この感想はそこそこのネタバレ済みで挑んだ人の感想です。
他人の感想見れば2つ星も全然おかしくない共感にあふれます。

まあいろいろありましたが、それを踏まえて現在のエロマンガ先生も順調らしいですし、良いところを拾うつもりで、
あるいはネットの阿鼻叫喚をメインに楽しむために、なんて読み方もありかなと思いました。

つまらなかったら全12巻は読まないですわでござる。