スレイヤーズ 01 感想
若者よ、これがラノベだ
いやーもはや古典的名作スレイヤーズ。今更読みだしました。
ラノベに必要なものってすべて含まれているんじゃない?といやはや脱帽。
- テンポのいい文章
- 下半分の余白を感じられて良い(恣意的)
- テンポのいい展開
- スタートから天才の俺TUEEEできる要素盛りの主人公
- メインは黒魔術だが剣士としても一線級と盛り盛り
- 適度なリミッター(あの日&ショートソード)
- フォント芸
- あとがきで作者とキャラクターが対談(今回は同居・代返だけど)
読んでいて感動するようなスルスルさがいやー恐ろ面白かった。
知識
アニメ見てないけど有名作だからドラグスレイブとかちょっと唱えられるぐらい?あと石田。
あとヒーローズファンタジアというマイナーゲームしてたのでメインキャラぐらいは知っている。
リナ
15歳ってのにびっくり。そんなものだったっけ。
それに貧乳キャラなんすね。
文中では黒尽くしの装備と合わせて、イラスト化によってだいぶ良い感じに補正されましたね。
マジックアイテムごてごてやゴブリン語やオリジナル魔法とか、良いキャラしてます。
そして声は林原めぐみ補正がついているのでもう最強ですよね。
倫理観もほど良く高位者っぽいので悩まずサクサク。殺ク殺ク。
ガウリィ
こいつ全然しらないんですけど、馬鹿キャラだったのか…。
リナの歳と相まって保護者ポジションに入ろうとしてたり、リナに追いかけられる側だったりで結構びっくり。
リナの剣技の腕前も高いので、今後の見せ場の作り方に期待ですね。光の剣の鞘にならないかしら。
出力だけでいえばリナが持ってる方が強そうだし。
どちらかと言えば無知による解説を引き出す読者側ポジション。
ゼルガディス
こいつすごい。なにがすごいって、この文字種で一番覚えにくい並びしていると思うこと。
誤読は作中でネタにされていたことを確認。ネタにされすぎて覚えにくくなってるのかな?
ネタだと思ってたけど本当に覚えられなかった。
あと黒幕じゃなかった!石田なのに!
と思って今調べたら石田じゃなかった!グリリバだった!
そっかーだから黒幕じゃなかったんだー。
こいつも魔法剣士でなんだかガウリィくんかわいそう…。
シナリオ的に裏切りがなんだかなーでしたが人望とかもあって、見た目だけじゃない案外面白いキャラでしたな。
後腐れなく別れた感じだけど今後の絡みはどうなるのかしらん。
薄味な演出
軽快なテンポでさくさくお話が進んで、エンカント&バトルも回数が多いのにサクサク行きます。
その影響か、キメ場がちょっと弱いかな?
たとえば、
「竜破斬!」
魔王自身が大爆発を起こした。
これこそが竜破斬の力である。
リナが撃ったわけでもなく、効かなかったシーンではあるものの、街中で使えないような大爆発を起こす魔法の初登場シーンがこれである。「大爆発を起こした。」いや驚いた。凄いよ。
続いて、
「かーっ!」
ゼルガディスがしかけた。
青い火柱がレゾを包み込む。
が、それだけだった。
これ、今のはメラではない的メソッドで敵の強さを示すシーンで、後からこれが精霊魔術最強呪文のラ・ティルトだったと判明します。
作中で言及される攻撃系の魔法体系の黒魔術と精霊魔術の最強呪文が1巻で出揃うのも驚きでしたけど、このあっさり感。もう衝撃的すぎて降参。凄いの心境です。
最後に竜破斬超える重破斬、出しときます?
これはクライマックスを飾るため準備中から描写が盛り上げてくれるんでワクワクしました。しましたが、放つシーンはこんな感じ。
暗黒のエネルギー塊が迫る。
そして――
ズヴゥン!(引用者注:大フォント)
黒い火柱(?)が天を衝いた。
うん、潔い。
納得の解説
ラノベには珍しく編集部の解説が付いてました。
それによれば、このスレイヤーズは第一回ファンタジア長編小説大賞の、大賞該当作なしの中の準入選。
つまり、実質最高成績らしいです。
力量高い作品の中で、編集部が指摘するように、目を見張るような新しいイメージは確かに無かった。
正直に言うと、シナリオ展開自体はちょっと後半食傷気味でしたし、ラスボスと弱点も度肝を抜くほどでもなく、ノリで乗り切った感はあります。自分はキャラがよければそれで良いのでそこまで困りませんでしたが。
今後巻数が進む中で、よりよくなればいいですね。
まだまだキャラだけで言えば魅力的なストックがあることは知っていますし。
挿絵
あらいずみるい。
私はあらいずみるいさんの超今風の画風が大好きなのですが、一巻の時点ではまだまだまだ。
新装版の表紙はかなりよかったので、早くそうなれーと願っております。
評価
うん、納得して4つ星つけられる。本当にライトなノベルで、息抜きに良いと思います。
ラノベの古典として読むにしても、今読むときついと増田で言われてたりしましたが、全然いけます!私は最新のラノベ読まないから参考にならないかもだけど!
この文体の軽いテンポが新人特有なものなのかちょっと心配になりましたが、改めて調べて、神坂一さん、初読書かと思ったら昔、DOORSの一巻だけ読んでました。
DOORSも面白かったので、文体は今後も保障できると思います。