かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 02 感想

これだけは最初に言っておきたい。
セル、それも第一形態ってそんなに興奮するものじゃないよね!?  

おはなし

夏コミ話からのあやせバレ→説得です。

ちょっと思ってたんとちがうあやせ

あれーあやせってこんなキャラでしたんですね…
激昂時が普通くらいと思っていたら、普段は重い信頼系キャラで、予想を裏切られました。
でも、これは、これで、よし、なんですが、シナリオの犠牲になりやすそう。
あとがきによるとやや作られた感ありそうですし。
でも、最後のメール、好きです。
今回はラスボスポジションだったので、今後に期待期待。

続けて無理が勝つ

さて、ラスボスあやせ氏はきりりん氏の親友でありながら、オタクを嫌う一般人ポジションですね。
前巻の父親も良くない趣味だと、父として止めていた。
あやせ氏はもっと一般的なオタクバッシングの権化ですね。
理解できず犯罪者の素質があり、実際事件も起こしていると考えている、アンチフィギュア萌え族(仮)ですかね。
女子中学生の生理的嫌悪感というワードも飛び出ます。
彼女の思想には一定の理解を示すことができて、きりりん氏との話し合いも平行線やむなし。

じゃあどうやって説得するかというと、あやせ氏が実例として挙げた幾つかの傍証が(偶然)誤りだったということを…父親から入手していく。
でもたとえが、誤りや未確定だとしても一般論と感情論を覆させられるべくもなく。
父親は18禁を突いたけどあやせ氏は兄妹モノってところを突いてくるんですよね。
ここまではなんか父親と同じ流れで、京介氏がかばった前回に対して、今回は、兄妹の話は神話として創作として歴史と文学があるという線で攻める。
うーん、どうなんでしょ。     現代の倫理観で過去を断罪することはだめでしょうけど、逆に過去の倫理観で現在を肯定することもそんなに良くないんじゃない?
で、そんなにしっくり来なかったんですけど、あやせ氏の折れどころはその京介氏の必死なところで、これもまあ説得力は下がったけど父親のときと似たような構図。
もっと戦うことができるんだけど、父親もあやせ氏もきりりん氏を思いやってるから妥協できる余地があるんじゃないかな。
KOじゃなくてTKO。みたいな。
だから、すっきりはしない。 でもそのおかげで最後のメールの味はあるんですけど。

巨悪に戦えとは言いません。が、2巻とも許されるための物語で、似た感じの進行だったこと、前回がもやもやがあるけど飲み込んだのに再発させられたことが、ちょっと評価下げというか、今後のオチへの不安感を覚えます。
まあ似た経験にキノの旅の1・2話があったのでそっちは杞憂になりましたけどね。

差し出さないきりりん氏

妥協した父親とあやせ氏。
1巻は準備期間ということで良しとしました。
でも2巻目は、オタクのきりりん氏と親友のきりりん氏どっちを取るかというときに、どっちも私と切り捨てられず。
折れてくれたあやせ氏に対して、きりりん氏は失うものが特になく、ちょっと、もうちょっとあやせ氏のために何かを投げ出せてたらなって思いました。
有能で欲もあるというのがきりりん氏なので、すべていただくのが一つの正解でもあると思うんですけど、それはまあ二人の説得に納得できない贔屓目ですかね。

 幼馴染パートはちょっとマシだった

苦手なのに尺とられた行き違いパート。
でも今回はロックの登場、あほらしいやり取りでちょっと楽しめた。

あと、悪名名高い彼氏がもしできたらどうするか発言ですね。
まあ、2巻で出るなら、まだ、セーフな領域じゃないんですかね?
誰にも恋愛感情なしの状態なんですし。
京介氏は変わらないことはできないことを自覚しているし期間の引き伸ばしに注力しているわけで、そのポーズの一貫としてならなきにしもあらず。
でも、それでも、ちょっと引くよね。

可愛さはどーしたオラ

きりりん氏かわいいございました。
自分は悪態突いても他人に悪口言われると黙っちゃうところとか。いいよね。
嫌々相談のったり、さりげない水着ページへの誘導とか、話下手プッシュとか。

あやせ氏と京介氏の初対面もよかったんですよ。

黒猫のあざとさもバナージ氏の夏コミルートもよかったんですよ。

だから、めっちゃブーたれてますが、続きを読んじゃうんだよなあ。

蝿の王 ギブアップ 感想

七章(六章終わり)でギブアップ。
お疲れ様でした。

翻訳独特のぎっちり文章なので、ラノベ一冊分は読んだはず。

誰のための読書

ベルゼブブさんのためですよね。
足洗の学園長のフリガナでしたし。
他の名著よりは入りやすい題材かな、と。

でも無理でした。

緊張感のないサバイバル

サバイバルものはシチュエーション自体は好きなんです。
でもこのお話はそれがメインでないのかあっさりでした。

飛行機事故からの遭難でスタートするのですが、

  • メンバー集めは初日にほら貝を吹いて集合完了
  • 飲み水は容易に得られる
  • とりあえず海で泳ぐ娯楽性
  • 食料は果実が腐るほどある
  • 豚狩猟が固執的偏狂扱いになるほど
  • 火は眼鏡の太陽レンズであっさり入手

漂流物の造詣は超浅いのですが、こんなものなんでしょうか。
住居に関しては作中で苦言されますが、不和の一部程度で。
あくまで隔離環境が重要そう。

不和不和タイム

作劇は、とかく不和の描写に割かれます。

団結しない登場人物

カリスマとして描かれるラーフと、平時の楽団リーダーを引き継いで来て、豚狩りに奔走するジャックの対立。
(部分的な)理だけでは人々を導けないピギーー。
考えない幼少組。
比較的大人に見えるラーフですら辟易とする子供の統制に見ているほうもげっそりします。

無意味な集会

始まりの象徴のほら貝を吹き、(現実と同じように当然守られない)ほら貝を持つことで得られる発言権。
そこでは不毛な言い争いと守られない決定ごとにあふれ、集会をすることが目的の集会が行われる。
実はここは読んでるときはキャラクター性が見える部分でそんなに嫌いじゃなかったです。
というか本当に集会ばっかりでそれがベースというか、ルーチン程度に読んでました。
まあ割合多すぎで挫折したのはそうなんですが…。
現実的な衆愚描写にみえ、効果的に嫌悪させられているなと感心の域ですね。

ピギーくんかわいそう。とも全面的に言い切れないのが蝿の王のすごいところ。

無意味な豚狩り

ラーフの対のジャックは最初に見た豚に異様に執着します。
狩猟自体は肉の確保になりますし、他の何もしない子供たちよりは、比較的生産的なのですが…。
結果が得られない。いやようやっと得られたんですが、そのときにはいろいろ失っている。
主にジャック君の人間性が。
大体の子供たちが楽観的現代人の遭難を謳歌している間、彼は森で豚を追いかけ、どんどんどんどんゲンシカイキしていきます。
そもそも彼がなんでそんなに豚を最初期から追い求めているのかが謎で、不気味。

烽火というお約束

で、ジャック君が豚狩りには人手が要ると、火守女(女ではない)まで動因することで、烽火が消えたりします。
烽火は外界へのサインとして、救出の唯一の望みとして絶やさないことが最初に約束されました。
が、長い遭難生活によって、先述のジャック君たちや怠慢により消えます。
ジャック君のときは外洋に船が見えていたときだったのでラーフ君はムカ着火ファイアーでして。

最重要案件の烽火すら長い時間では風化して、気にしすぎという雰囲気まででるのが実におそろしい。

そんなこんなが

200ページ以上続きます。
ギスギスはまま良いのですが、集会・豚・篝火そして謎の獣の話題のみがループして延々と続き、もういいよって。
手を変え品を変え、もうちょっと不和以外のキャラクターのからみがあれば読み進められたのですが…。
6章終盤では物語が動き出したんですが、なんだかもうタイムアウトで、読めるけど楽しめない状態になってしまった。
テーマじゃなくてシチュエーションでアウト。

知識不足が敗因か

Wiki含めた知識では、この作品はそもそも十五少年漂流記や宝島などのジュブナイル冒険記ジャンルのゆり戻しというか、ジャンル後期のダーク化に類するのかなと思います。
だから元にある爽快感を廃してうまくいかないところを丁寧丁寧丁寧に描いていると思うんですけど、あいにくと十五少年漂流記も宝島も読んでいなくて、そこらへんのコンテキストを共有できていませんでした。

だから、不幸な出会いだったかもしれませんね。

総評

悲劇とわかっていながらも悲劇に耐えられなかった読者の問題。
ラノベ読みにはきつい一般小説特有の起伏の少なさ。
キャラクターそれぞれを表面的に読んだらダメな気がする記号。
子供と謎の獣の話を心理的なものと理解できずに輪郭をなぞる描写に耐えられない忍耐力のなさ。

総じて読み手が悪いギブアップで、読み手が悪い星2です。

仲間割れしない段階でのギブアップってダメにもほどがありますが、まあこういうこともあるよね。
漫画化とかされたら読んでもいいよ。

俺の妹がこんなに可愛いわけがない 01 感想

今更ですか。今更ですよ。
読み直し。

もうすぐ10周年

はい、ということで、2008年8月10日発行の俺の妹がこんなに可愛いわけがない第一巻です。
当時を反映した作中のオタクネタも、今や貴重でもない資料級になりもうした。

  • かーずSP
  • mixi
  • ニコニコ(キャラメルダンセン(ウッーウッーウマウマ(゚∀゚)))
  • 朝目新聞

あと水銀燈

いやー懐かしい。サイト自体は現役なところを見ると、今はすごさすら感じますね。
逆に言えば色あせない太鼓の達人とスタバもすごい。

たぶん、当時とは読み味がだいぶ異なった読書体験でした。

俺いもとの歴史

こーゆー作品はぜんぜん受け付けないのですが、ネットで話題になり、
黒猫と別れたらしいあたりでなんとなく一巻読み、ふーんと続かず。
物議の終盤も傍目で見守り、展開終了。
Abema開局はじめあたりでアニメをちょいちょい見かけ、
かわいいなーOP曲いいなーと思うものの、後半の展開を知っているので途中で早めに離脱。
エロマンガ先生も出ている間も興味なしなのですが、アニメ化で話題になっているし、相変わらずビジュアルはかわいいので、ついつい俺いもに手を出しなおしました。

浅い知識ではあやせが好き。

もちょっと懐かしさ

俺いも時代のオタクは、気持ち悪く迫害されて秋葉でひゃっほいしている感じで。
今…は、やや浸透した気配もしまして、当時ってこんなにビクビクしてたかなーと思いながら読んでいました。

そして京介氏のキャラもさー。
なっつかしいよねー。
地味自覚もさー。こっちに語りかけてくるところとかさー。
ハルヒアニメが2006年?流行ましたよね。やれやれ系主人公。
そーんなに好きじゃないし、たぶんサブキャラ絡みが少ない1巻が一番マシなんでしょうけど。
かわいい!!するのには京介氏の内面に付き合う一片の覚悟が必要で、内部描写が少なくなるアニメって見直すにしてもいいコンテンツだなって感心しました。

内容うっすい!

当時初見のときも抱いたんですが、ぺらい!
いやページ数はあるんですが、すぐ読み終わって、これは軽快なお話ともいえるんですけど、これで終わりかーってもやもやんが出るんですよね。
流れとしては

  • キャラ紹介
  • きりりん氏の秘密ばれ
  • オタク解説の人生相談
  • オフ会
  • 本番の2次会
  • 親バレ

こ ん だ け
なので、お話的には、きりりん氏のオタ環境が向上したのみで終わり。

きりりん氏かわいい!!

だが、そう、お話と関係なく桐乃がかわいいだけでオールOK。
私はツンツンしたキャラが好きなので、シャナとかルイズとか大河とかの釘宮三人衆やビリビリも好きだったんですけど、大体初期でデレるので毎回がっかりしたり。
久しぶりにほぼツンオンリーを見れて大変満足です。デレなんて最後の微笑だけでよろしおす。
当分ツンツンしそうだし、あやせさんもツンツン控えてるし、後を思うと楽しみですね。
本編もこの相談しているのに終始高慢とか、オフ会とか凹み場用意してしゅんとした姿も直接見せるんじゃなくてやや間接的にして、あのシーンつらい。
京介氏もまだまだ妹ルートに突入していないので、いい意味で距離感が遠い進行でよし。

あと、挿絵が全体的にキャラのアップで、こりゃーかわいさ全振りだなってんで、よかったんじゃないでしょうか。

オチは微妙

山場は父親へのオタ趣味説得なんですが、昔の初見時も今回も、やっぱり釈然としませんでした。
理は親父にあるよ…
いろいろ説得しましたけど、子を思う・しつけといったらそれらを跳ね除けてもまーいいと思いましたし、父親の妥協負けだなという印象。
きりりん氏がギャルゲーを強制させて、父親にも間接的に趣味を認めさせてって大勝利を収めた形なんですけど、まあ現実物のお話ってのはこういう感じですよね。
父親が今後どう振舞うのかはまったく知らないので、そこらへんが楽しみではあります。

そうかお前だったな

で、あとがきでこの話はシリーズ前提ってことが伺えるので、そんな感じで助走な1巻とすれば内容薄いと感じながらもしっかり整えた始まりでしたな。

そしてあとがきに現れる三木の名。
…そうでした。これも担当でしたな天才・三木一馬
かんざきひろ引っ張ったりキャラ修正したり、今から見るとその敏腕ぶりが恐ろしい。
だってすっごくいいんだもんね…。
悔しいけど、やられたーってなもんだい。

総評

デレないかわいさ・ギャップ萌え極振り。
内容の時代感は人によりけりなのでなんとも。自分は耐えられる。
主人公・幼馴染のメタ感は難あり。
かんざきひろ補正は強く感じるものの、一大?ブームを作ったポテンシャルは十分感じられる1巻。
どこまで読むかは読み手に委ねられるが、今回はもうちょっと続き読んでもいいかな…
ということで、今後の盛り上がりを考慮し期待の☆三つ。
10周年でなんか動きあれば、あれですね。何があれかわかんないですけど。

φの方石 ―白幽堂魔石奇譚― 感想

そうそうこれだよメディアワークス文庫に求めているのは。
電撃文庫ほど行き過ぎない感じね。

ということで、第21回電撃小説大賞 大賞、新田周右作のφの方石です。

dengekitaisho.jp

デビュー作? 信じないね

いやーうまかった。
現実の歴史に昔から方石というものが公に存在しており、過去の偉人たちの一部は現実の偉業たるものを方石で残しているという世界観。
よく練られているだろうに、過分に開陳しない自制さはすごい。
主人公が方石の専門知識無しということで学科として説明しているけど、くどくはなりすぎていなかった。
文章も非常に読みやすく、情景描写に振りすぎるということもなかった。
なのにもろもろの所作はしっかり押さえてキャラの魅力を引き出せていたよね。
キャラにしても過不足なく、使い切って、本筋に絡まないキャラすらも本編後のフォローとして置くというのははーっとなった。
逆に言えばちょうど良すぎて意表を突かれることはなかったね。
そして、方石からなにから、「模写」という一貫したテーマですべてを統括してみせたその技量は、これがデビュー作とは信じたくないこなれ感を覚え、最近の界隈のレベルの高さを再確認しました。

断言したい。作者は女性だと!

新田周右という男性なペンネームなんですが、キャラクター造詣は女性的な感じを受け、瑛介の初登場からずっと感じ続けていました。

主人公の白堂瑛介は、長身細身のイケメンで、性格は人を寄せつけず、そしてイジワル。
と思いきや、読者にはバレバレな思いやりの満載さや気にかけや皿を並べるシーンがあざとい!ずるい!おかわり!あざとい!
相棒ポジションには糸目の関西弁キャラのキツネキャラですね。猿ですけど。BLEACHにしてギン。
さらにナイスミドル枠として、がっしりして理的な独身学者先生を添えて八方よし!
女主人公は!両親がおらず!家事一辺ができ!ちょっと引っ込み思案だけど!努力家で!勉強も交友関係もがんばる!からかわれてプンプン!だけど彼のことを受け入れている!

ほんと、ターゲットはやや女性向けと解釈して読んでいたのですが、真相はいかに。

書ききった後調べたら画像あったよ!

ascii.jp

男性だよ!
24歳だよ!
超びっくり!!
関係ないけど同期?の仲谷鳰さんもよいです。

気になる点はなくもない

イラストの宵呼は幼すぎデコ出すぎ。
っと思ったら、そういえば彼らは15、17歳で、物語としては高校生相当なんですよね。
物語が落ち着いていて、制度もろもろが大学よりだったので、大学生として読んでいました。
高校生ならちょっと大人びすぎかなー。

時間関係で言えば、物語は出会って10日間ぐらいしか立っていないんですよね。後半お凛さんとのお話で判明。
まー人間関係も探偵業も怪盗業も、ちょっとせわしないかなって。
インターンスティが短期間限定ということが、出会いのきっかけでなし崩し的に居座るかと思われたのが、物語の末に来る形でしたね。

そういった関係?で、クライマックスへ至る推理パートも対決パートもぽんぽんと進み、迷わず謎が解け物理で殴って終わり。
そういえば対決オチは乱装天傀。ままよくある形ですが。

総評

よくまとまった納得の実力作。
魅力的な世界観を持つキャラクターの優しさの所作を楽しんだ小説でした。
受賞作の例に漏れず、続編が4作目まで出たようですが、彼らに引き込まれたのなら続きを読んでもよいかも。

蛇足

読み終わるまで、「φの方石」が編集作。「白幽堂魔石奇譚」が応募時のタイトルだと思っていました。
逆?でした。
応募ってもっと気取ってるもんだと思うじゃん!
こなれー

スペース☆ダンディ 感想

前書き

うーん、残念。
ビバップのスタッフで作ったアニメということで、放送中も放送後もよく露出していたので、文句なしの名作だとたかをくくっていたのですが。
期待しすぎたかもしれません。

結局4話か6話あたりからながら見に移行。

どんなアニメ

乏しい知識でたとえると、カウボーイビバップギャラクシーエンジェルとちょっとREDLINEを足して、割りもせずなんかなった感じ。

投げっぱなしありのオムニバス形式アニメ。

いいアニメでしたよね

いや、でも、いいアニメなんですよ。
面白い回は多い。
ゾンビ、家出、カフェ、ロック、植物、トレンディー、多次元(円城塔!?)、ミュージカル、裁判
ながら見で8/26が記憶に染み付く程度には面白い。
っていうのはオムニバスとしてはいいのでは?
最後も投げっぱなしを捨てずにまとめて収拾つけましたし。

アニメーションもうん、アニメーターを感じるような良い動きで、うん、良い動きで。

なにがダメだったか? それはキャラの魅了

ということになるんですけど、キャラクターにはまれなかった。
ダンディもミャウもQTも敵方の二人も26話通して、そんなに好きになれなかった。
ハニーはちょっと好き。

ただどーもメインキャラが好きになれなくて、うーん、ダンディはキメるときはまあキメていたんですけど(アデリーへの兄貴やトレンディのときとかとか)、かっこよさ、が、足りない、のかな。
QTとミャウの魅力不足が一番かなぁ。
でも、かっこよさとかに振らない感じは、テーマである「研ぎ澄まされた適当、磨き抜かれたいい加減」にそってはいるのかな?
でもそのテーマを知ったのは視聴後ですし。
ビバップを期待していた身としては、ビバップの面々のような軽快なやり取り、キャラクターが会話するだけで面白い魅力が欲しかった。
とするとオムニバスとしてはシナリオ優先の影響、か。
投げっぱなしとしてはキャラが濃いGAと比較してみたいが、掘り下げの長さも違うし、でも各話GA隊のキャラを活かしきれていたと思います。
もっとかっこいいorかわいいに振り切れればよかったのか?
と考えると、ああそうだ、パンティ&ストッキングがありましたねー。
そうか裁判回の既視感はパンストか。

パンストも同じく投げっぱなしで、日本でカートゥーンを目指した感じのストーリーと「らしい」動画とうーんダンディと似ているかも。
でもあっちは天使も悪魔もキャラクター的にヒットしましたし(多少はしたよね?)、個人的にはダンディよりキャラクター見たさで好みは上位になるかな。
これは萌えとかじゃなくてスパイクみたいなかっこよさでもよかったんですが、とにかくダンディはどっちかに振り切れなかったなって。

脚本もアニメーションも良かったばっかりに、「ダンディたちの活躍」にのめりこめなかった部分で置いていかれた形かな。

あとあと

メカニックと異星人デザインも引き込まれる点が特になく、プラスがないゆえのマイナスに加担している。

総評

惜しい!の一言に尽きる☆三つ。スタッフが集って傾向が同じなら続きを見てもいいけど、ダンディでなくて良い。そんな感じ。
ビバップに引っ張られ正当な自己評価が非常に難しい。
ただし、岡村靖幸を知れたという点ではダンディは偉大である。

SHIROBAKO 感想

23話卑怯すぎません!?

卑怯だよね…あれは卑怯だ…24話で追い討ちかけるし…

実質24話が消化試合かのような食いっぷりでした。

今さっき見終わった。

文句なしで傑作…どうだろ。もっと見たい欲求はあるし、それに起因してかはわからないけど、思うところもある…1

と思う。まだ未消化だ。

でも、十分すぎるほどに傑作・名作と言っておく。

shirobako-anime.com

SHIROBAKOとの出会い

こにふぁー氏の発見は本筋ではないのでおいておくとして、

たぶん、当時から観測していたか、当時Slack関連を追っていた形でみたんでしたっけ。2015年。およそ2年前ですね。さすがに忘れました。

konifar.hatenablog.com

このときはSlackの使い方とか見ただけで、

あとは「どんどんドーナツどーんといこう!」の字面だけ気に入ってBotに登録してたり。そんなにSHIROBAKO主体で見ていたわけじゃないんですよね。

そのあとははてブかな?

konifar.hatenablog.com

これを(作品知らないし)流し読みした結果、自分の中でSHIROBAKOが「名作枠」に決定しました。2

自分はアニメが好きですが、本数を見ないです。

周辺情報から、未視聴時に「自分が名作と思う」と判定したアニメを見たがる傾向にあります。3
はずれも思い込み効果で少なくなりますし。
と言いますか、あんな(瀬川さんと遠藤さん)落ち着いたキャラデザ見せられたら、萌えなんてきょーみねーぜな気取った痛いオタクには耐えられないっす。

とかく、この段階で視聴予約として情報シャットアウト。
こにふぁー氏のSHIROBAKO記事も泣く泣く我慢。
SHIROBAKOアペンドカレンダーそれも2年分!も我慢しました!

そして今年、サクラクエストという?お仕事シリーズ?の新作が出て?最初のほうの評判がSHIROBAKOの焼き直しにならざるや!?というのを見かけて、そういえば積んでいるな…そろそろ見るか…と。

こにふぁー氏の熱の入った記事も読みたいし。

そして今更はてブ見たら叩かれてますねー…

もうちょっとあの記事(への反応)に言及したい。「SHIROBAKOはアニメじゃない、人生ですから!」

人気コメントはアニハラということと、コンテキストの非共有があがっている。4
まったくの妄想のことと断っておいて、
こにふぁー氏の当時?だったかどうか今もそんなに気質は変わらない場所にいらっしゃると思うんですけど、(IT業界ということも加味して)職場はまあアニメの布教を許せるコンテキスト、アニメ(も好む人たち)に一定の理解があるということも差っぴいて、
モチベーションにいい影響を受けたことを報告することに抵抗がすくない」んじゃないかなって。

仕事をする上での姿勢やチームワークの大切さなど本当に学びが多いです

これは記事全体とかまとめで言及されているのでそのままなんですけど、 SHIROBAKOって、アニメだから社内で広めようとしたわけじゃないんですよねえ…
アニメだから良かった。アニメだから表現できたってことは当然あるんですけど、
それを社内で広めたいのはSHIROBAKOが仕事であって、プロジェクトであって、皆で目指すものだったからなわけで…
ただ自分が好きな

巨人とか阪神とかサッカーとかAKBとか韓流とかプルーンとかエホバとか創価とか

を広めることとは別種の、「個人としての私から個人の皆様の私生活へ」ではなくて「仕事仲間の私たちへ」って感じなんじゃないかな。
物語の中では私たちのプロジェクトでも起こっている、起こりうることが渦巻いていて、その中での人々のさまざまなやり取りと、結局全員からありありと見える一本の筋が、組織の中で生きる人の、良くしたいって部分を刺激するんじゃなかろうか。
まったくの妄想のことと断っておいて

仕事がしたい!!!

そんなわけで、12話まで一気視聴した私の気分はこれ。
こんな風に、熱意を持って、仕事に打ち込み、より良いものを作りたい。
まあ現実の月曜日の自分は変わらず死んだ魚の目で独りプログラムを打つのですが。
彼らの仕事への情熱…かな。正しくないかな。向き合い方を受けとって、こっちも放出してみたくなるんですよね。
インプットしたらアウトプットすべし。ってのはミミタコワードですが、自発的にこうなるようなものに早々出会うべくもないので、貴重ですよね。
アニメでは困難にぶつかって約束された勝利の乗り越えというカタルシスがあるんですけど、それがなくなって各々の拘ってますシーンだけで熱量があっぷあっぷで、そのうえで各話締めていくので隙がない。

勝手に思う。ITエンジニアに響きそうなわけ。

これは後半、しかも思いもよらない人物から言葉という具体的形になったんですよね。
それが、アニメがあまり好きじゃなさそうな、新人進行の佐藤さん。
20話は皆の仕事観が言葉で具体的に聴ける話なんですよねー。

深く考えたことなかったですけど、私もやっぱり好きだからかもしれません。
(安藤:え!?どれ!?何萌えですか!?)
ではなくて、会社の雰囲気が。
こうやって一丸となって完成を目指す感じが。
(宮森:一丸かなぁ)
ジャスオンみたいな会社だと、お客様を満足させるとか、利益を上げるとか、効率をよくするとか、目的がいくつもあるんですね。
その点アニメはとにかく完成させるという大目標があって、それに邁進する状況が、すごくいさぎいいと思います。

ITのプロダクトのプロジェクトも似たような感じかなって。そりゃいろいろありますが、大目標はとにかく完成させること。
それに一丸となって、邁進…できたらいいですよねえ。
そして、原画班などで描かれる、些事でもこだわったり、自分の成長・挑戦として1プロジェクトに挑む。しかもそれがそれぞれの領域で起きている。

常にキャッチアップを行い、できればおおっぴらに、無理ならひっそりと組み込む。5
「良くしたい・良くなりたい」という気持ちを原動力にして。
それがフロントエンドでもバックエンドでもSEでもPMでもそれぞれで起きている。6
そんなチーム、いいですよねえ。あれば転職したいです。

大目標があり、そのために各々が各々のアプローチでベストを尽くしていく。いや、今のベストだけ行っていると成長がないのでチャレンジもする。
そしてなにより、みんなこの仕事が好き!!
ITに限らないお仕事の一種の理想郷がここにあるってなもんです。

(宮森が一丸にひっかかるのも面白いけどなんかわかりますよね。)

ゆえに、比較して平岡の磨耗っぷりがもうもうもう、たまりません。
こうなるよねって。
平岡は現実的な社会人の姿と自分は見ていました。(一度夢を追っただけでもすごいですけどね)
SHIROBAKO(前半12話)見ても、現実に反映できない自分だあって。
でも、理想の人物たちを見せつつ、現実の生き写しであるそんな平岡さえも救済するって…ね。
やっぱり転職がカギなのか

(少なくとも企業勤めのプログラマから見て)みんながSHIROBAKOを意識すれば良い職場になるって確信(妄信)させてくれる出来なので、そりゃ社内で広めたくなりますよ。
アニメだからと一蹴されないならね。
うちではしません。

会社の空気感にもよると思うので、慎重にやったほうがいいのは間違いないです。

好きなシーン

1話の宮森が歌いながら運転するシーン。
散々仕事観語っておいてそれかよ。
でも、楽しそうでいいんですよねえ…

好きなキャラ

田中理恵さん。
失礼ながら、声優のんにゃんにゃで意識していたのですが、それがキャラになるとは。
しかも良いキャラ。良い声でしたね。
何気におっきいのがいい!

あ、モデルはあまり知識がなくて拾えない人なので、伊藤さん、両水島氏、冨野、庵野、板野さん。
あと舞茸しめじはたぶんきのこだと思うんですけど、同人つながりの帽子から神主入ってる?(職種から別じゃん)って思いつつも、OH!スーパーミルクチャンのキノコバター炒め 舞茸秋子をずっと思い浮かべてたりね。

まあ、ことさら明言する必要ないと思いますが、全員好きです。

好きな声優

檜山修之さん。
一辺倒な人ではないので驚きは少ないんですけど、監督のキャラと合わさり演技が良すぎる!
キャラに笑ってるのか演技に笑ってるのかわからなかったですね。

映像。触れとく?

最近のアニメはどれもいわゆる「作画が安定」していて、知識不足も合わさり、よいとしか言えないのがつらいです。
でも、自分が好きなアニメの条件って、アニメから作り手の
「この作品が好きだ」
って気持ちが伝わってくる(推測させる)ことが条件で、
その点で言えば、SHIROBAKOはスタッフの気持ちが映像面でもとても入っている作品だと感じました。

差したい!水を!

べた褒めなんだけど!わかるんだけど!尺とかもあるんだけど!

原画であらずば人にあらず。
動画マン「早く人間になりたい」

自分の業界知識のうちの明からな未描写部分な、ただそれだけなんですけど、しかたないよね。邪推邪推。

終わり

キャラに言及するとそれぞれの記事にしなきゃいけないので終わり。
最後に、SHIROBAKOは、劇中劇があるし、アニメ制作アニメということでいろいろグルグルしています。メタって難しいから使いたくなかっただけです。
そこらへんは造詣が深い人がとうにやってると思いますが、備忘録で。
前半は、話中の話題はえくそだすっ!への結果として。
あとはネコやガヤとかが特徴的でしたね。
そして23話ラストの構図。
実はみんな別々に同じことを言っているなど、見返す魅力がある作品。
ちょっとこれはMP3化して日課にしたい。そんなセリフが目白押し。

会社で言えないからここで言います。
SHIROBAKO何度でも見よう!!

よーしSHIROBAKO記事、これで解禁だ。


  1. サブキャラが良すぎて~って方面で。

  2. 今見たら普通に超いっぱい受賞してる!!

  3. 未確認で進行形など、不意打ちで名作食らうのも楽しいのですが。

  4. スター調べたらこにふぁー氏もつけててほほえましいんですが。

  5. 卑近な例では忙しいのにプラグイン作ったりね。

  6. あまつさえ上司や社長までも!!(感涙

王女コクランと願いの悪魔 感想

よかった!!!!

よかったよ!!久々によかったよ!! 入江君人神さまのいない日曜日?魔法の子?タイトルで結構避けてたけど、読もう。

黒髪ロング清楚系は正義

と、言うわけではないのですが、安定した女主人公はいいですね。
タイトルでは二人?の物語っぽいですか、まさにコクランの一人舞台
彼女のキャラでぐんぐん物語にのめりこませてくれます!
王女として毅然としていて、影では優しい…と思わせさらにはっきりと一線を画す。 情はあるけれど絆されない、まさに完璧超人、ホームズレベルに描かれています。
彼女の指針は一貫しているものの、状況が理解できすぎているゆえに、どんな行動を起こすか読めない、不思議で魅力的な主人公でした。

ジャンルはなんだ!?

これは何小説なんでしょうね。
自分の場合は

  • (タイトルから)悪魔…メフィスト系(雑誌ではない)かな?
  • ランプの精か。自由にしてやるアラジン系かな?
  • おじからもらったのか…不幸にする目的の贈り物から始まる逆襲物語?
  • 願い事がない。悪魔は叶えるまで付きまとう。うしおととら系か。
  • 落し物…まさかのミステリ?
  • 悪魔が助手役の安楽椅子探偵
  • あ、こじんまりした日常の謎
  • キマシタワー
  • え、どうなんの…
  • ああ、コクランを愉しめばいいのか

1話から2話前半まででこのように遷移いたしました。
入間人間と同じくキャラの会話を楽しむ小説と解釈いたしました。
でも、もしかしたらトップになるかもぐらいの勢いがあって、どうしよう、とりあえず年間トップには据えてもいいかも。

舞台

後宮という閉鎖空間に、悪魔となでる程度の政情が絡まり(あと幽霊か)、停滞した時間が転がる感覚はよかったです。
キャラクターが新天地へ赴かない中で、どう展開するのか気になっていましたが、ああなって、こうなって…
ふーんそう調理するのかと。
もっと設定は練られてそうに感じた。というかもっと読みたい。

舞台

いちテーマが舞台なんですが、正直あまり羞恥せず読むことが得意な部類ではないので、ちょっとしんどかった。

愛すべきサブキャラ

コクランが陰のキャラとして立っているとすると、残りのサブキャラは悪魔しかり陽に分けられます。背景事情はあれど。
陽気を振りまくサブキャラにされど動じないコクランと、うまい具合にテンションを上げ、話の重さを適度に軽く保ってくれていたと思います。
特にヒルディナン。好き。
いわゆる負け犬負けイン、ひだまりスケッチで言う夏目みたいな…好き。
あと、アイネの周りのお姉さま。

ただ1点

メイドのキノンのキャラがちょっと異質すぎるように感じて、肌に合わなかった。
うーん、かなり不思議。ややアニメより過ぎたかな。
完璧よりの年上メイドなら良かった。コクランとコクラン系のキャラとの信頼の上の掛け合いが見たかったというか。

悪魔に触れないの?

狂言回しです。
大きなケレン味と、ギャグ時はやや現代のメタ(読者が慣れ親しんだ)寄りの、読者に寄り添ったキャラ、と捕らえています。

小説で表現する幻

悪魔はたびたびコクランに絢爛華美な光景を見せるのですが、小説の常として紙幅を使いそれをひとつひとつ表現する必要があって、そこに関してはアニメアラジンのようにバンと映像で表現できないのは、小説の特性として惜しいところであるなと感じた。
ただ、劣っているわけではないのだけれど、自分で考える以上、想像外の驚きや恍惚といったものはそれを与えようとしている幻覚から、読者自体は受け取るのは難しいのかな、と。
表現はよかった。どうしてもアラジンにひっぱられたけど。

開放されるものとしてのランプの精

お話はとりあえず行きそうな所へ行ったのですが、不意を打つような展開に関心してしまいました。
ははーんそうなるのか。じゃあ物語の終わりはいずこへ?と。
そして二人の薄氷の関係の大きな転換がおき、自分が好きないびつな友好関係を認識させた上で一度壊す。
もうここらへんはやられた!って感じでどうなるか読めなくなって、読むのがとまらなくなった…

ラスト

は、なんでしょうね。裏切られ、裏切られ、裏切られた。自分が。
そうなってしかるべきことが起き、そうなってしかるべきことが起き、物語としてそうなりうることで終わった。
どちらでもよかったが、そっちになったか。と。それで終わりなんだな。って心境でした。
単巻で終わるならいろいろできたなかでの一つの終わりでしたね。


と、感想を書くときに調べたら、2巻出てた…完璧に単巻だと思っていた。
読む…?
1巻で個人的には終わりでいいと思っているので、大変読みたいですが、しばらくは保留すると思います。別作品読んでからでもいいよね。

以上!文句なしの五つ星!読了後から読み直したい作品でした!