かのくらかの

かのくらかのが送るかのくらかの。と言われたい。娯楽感想日記。

ネタバレを含みます。

φの方石 ―白幽堂魔石奇譚― 感想

そうそうこれだよメディアワークス文庫に求めているのは。
電撃文庫ほど行き過ぎない感じね。

ということで、第21回電撃小説大賞 大賞、新田周右作のφの方石です。

dengekitaisho.jp

デビュー作? 信じないね

いやーうまかった。
現実の歴史に昔から方石というものが公に存在しており、過去の偉人たちの一部は現実の偉業たるものを方石で残しているという世界観。
よく練られているだろうに、過分に開陳しない自制さはすごい。
主人公が方石の専門知識無しということで学科として説明しているけど、くどくはなりすぎていなかった。
文章も非常に読みやすく、情景描写に振りすぎるということもなかった。
なのにもろもろの所作はしっかり押さえてキャラの魅力を引き出せていたよね。
キャラにしても過不足なく、使い切って、本筋に絡まないキャラすらも本編後のフォローとして置くというのははーっとなった。
逆に言えばちょうど良すぎて意表を突かれることはなかったね。
そして、方石からなにから、「模写」という一貫したテーマですべてを統括してみせたその技量は、これがデビュー作とは信じたくないこなれ感を覚え、最近の界隈のレベルの高さを再確認しました。

断言したい。作者は女性だと!

新田周右という男性なペンネームなんですが、キャラクター造詣は女性的な感じを受け、瑛介の初登場からずっと感じ続けていました。

主人公の白堂瑛介は、長身細身のイケメンで、性格は人を寄せつけず、そしてイジワル。
と思いきや、読者にはバレバレな思いやりの満載さや気にかけや皿を並べるシーンがあざとい!ずるい!おかわり!あざとい!
相棒ポジションには糸目の関西弁キャラのキツネキャラですね。猿ですけど。BLEACHにしてギン。
さらにナイスミドル枠として、がっしりして理的な独身学者先生を添えて八方よし!
女主人公は!両親がおらず!家事一辺ができ!ちょっと引っ込み思案だけど!努力家で!勉強も交友関係もがんばる!からかわれてプンプン!だけど彼のことを受け入れている!

ほんと、ターゲットはやや女性向けと解釈して読んでいたのですが、真相はいかに。

書ききった後調べたら画像あったよ!

ascii.jp

男性だよ!
24歳だよ!
超びっくり!!
関係ないけど同期?の仲谷鳰さんもよいです。

気になる点はなくもない

イラストの宵呼は幼すぎデコ出すぎ。
っと思ったら、そういえば彼らは15、17歳で、物語としては高校生相当なんですよね。
物語が落ち着いていて、制度もろもろが大学よりだったので、大学生として読んでいました。
高校生ならちょっと大人びすぎかなー。

時間関係で言えば、物語は出会って10日間ぐらいしか立っていないんですよね。後半お凛さんとのお話で判明。
まー人間関係も探偵業も怪盗業も、ちょっとせわしないかなって。
インターンスティが短期間限定ということが、出会いのきっかけでなし崩し的に居座るかと思われたのが、物語の末に来る形でしたね。

そういった関係?で、クライマックスへ至る推理パートも対決パートもぽんぽんと進み、迷わず謎が解け物理で殴って終わり。
そういえば対決オチは乱装天傀。ままよくある形ですが。

総評

よくまとまった納得の実力作。
魅力的な世界観を持つキャラクターの優しさの所作を楽しんだ小説でした。
受賞作の例に漏れず、続編が4作目まで出たようですが、彼らに引き込まれたのなら続きを読んでもよいかも。

蛇足

読み終わるまで、「φの方石」が編集作。「白幽堂魔石奇譚」が応募時のタイトルだと思っていました。
逆?でした。
応募ってもっと気取ってるもんだと思うじゃん!
こなれー

スペース☆ダンディ 感想

前書き

うーん、残念。
ビバップのスタッフで作ったアニメということで、放送中も放送後もよく露出していたので、文句なしの名作だとたかをくくっていたのですが。
期待しすぎたかもしれません。

結局4話か6話あたりからながら見に移行。

どんなアニメ

乏しい知識でたとえると、カウボーイビバップギャラクシーエンジェルとちょっとREDLINEを足して、割りもせずなんかなった感じ。

投げっぱなしありのオムニバス形式アニメ。

いいアニメでしたよね

いや、でも、いいアニメなんですよ。
面白い回は多い。
ゾンビ、家出、カフェ、ロック、植物、トレンディー、多次元(円城塔!?)、ミュージカル、裁判
ながら見で8/26が記憶に染み付く程度には面白い。
っていうのはオムニバスとしてはいいのでは?
最後も投げっぱなしを捨てずにまとめて収拾つけましたし。

アニメーションもうん、アニメーターを感じるような良い動きで、うん、良い動きで。

なにがダメだったか? それはキャラの魅了

ということになるんですけど、キャラクターにはまれなかった。
ダンディもミャウもQTも敵方の二人も26話通して、そんなに好きになれなかった。
ハニーはちょっと好き。

ただどーもメインキャラが好きになれなくて、うーん、ダンディはキメるときはまあキメていたんですけど(アデリーへの兄貴やトレンディのときとかとか)、かっこよさ、が、足りない、のかな。
QTとミャウの魅力不足が一番かなぁ。
でも、かっこよさとかに振らない感じは、テーマである「研ぎ澄まされた適当、磨き抜かれたいい加減」にそってはいるのかな?
でもそのテーマを知ったのは視聴後ですし。
ビバップを期待していた身としては、ビバップの面々のような軽快なやり取り、キャラクターが会話するだけで面白い魅力が欲しかった。
とするとオムニバスとしてはシナリオ優先の影響、か。
投げっぱなしとしてはキャラが濃いGAと比較してみたいが、掘り下げの長さも違うし、でも各話GA隊のキャラを活かしきれていたと思います。
もっとかっこいいorかわいいに振り切れればよかったのか?
と考えると、ああそうだ、パンティ&ストッキングがありましたねー。
そうか裁判回の既視感はパンストか。

パンストも同じく投げっぱなしで、日本でカートゥーンを目指した感じのストーリーと「らしい」動画とうーんダンディと似ているかも。
でもあっちは天使も悪魔もキャラクター的にヒットしましたし(多少はしたよね?)、個人的にはダンディよりキャラクター見たさで好みは上位になるかな。
これは萌えとかじゃなくてスパイクみたいなかっこよさでもよかったんですが、とにかくダンディはどっちかに振り切れなかったなって。

脚本もアニメーションも良かったばっかりに、「ダンディたちの活躍」にのめりこめなかった部分で置いていかれた形かな。

あとあと

メカニックと異星人デザインも引き込まれる点が特になく、プラスがないゆえのマイナスに加担している。

総評

惜しい!の一言に尽きる☆三つ。スタッフが集って傾向が同じなら続きを見てもいいけど、ダンディでなくて良い。そんな感じ。
ビバップに引っ張られ正当な自己評価が非常に難しい。
ただし、岡村靖幸を知れたという点ではダンディは偉大である。

SHIROBAKO 感想

23話卑怯すぎません!?

卑怯だよね…あれは卑怯だ…24話で追い討ちかけるし…

実質24話が消化試合かのような食いっぷりでした。

今さっき見終わった。

文句なしで傑作…どうだろ。もっと見たい欲求はあるし、それに起因してかはわからないけど、思うところもある…1

と思う。まだ未消化だ。

でも、十分すぎるほどに傑作・名作と言っておく。

shirobako-anime.com

SHIROBAKOとの出会い

こにふぁー氏の発見は本筋ではないのでおいておくとして、

たぶん、当時から観測していたか、当時Slack関連を追っていた形でみたんでしたっけ。2015年。およそ2年前ですね。さすがに忘れました。

konifar.hatenablog.com

このときはSlackの使い方とか見ただけで、

あとは「どんどんドーナツどーんといこう!」の字面だけ気に入ってBotに登録してたり。そんなにSHIROBAKO主体で見ていたわけじゃないんですよね。

そのあとははてブかな?

konifar.hatenablog.com

これを(作品知らないし)流し読みした結果、自分の中でSHIROBAKOが「名作枠」に決定しました。2

自分はアニメが好きですが、本数を見ないです。

周辺情報から、未視聴時に「自分が名作と思う」と判定したアニメを見たがる傾向にあります。3
はずれも思い込み効果で少なくなりますし。
と言いますか、あんな(瀬川さんと遠藤さん)落ち着いたキャラデザ見せられたら、萌えなんてきょーみねーぜな気取った痛いオタクには耐えられないっす。

とかく、この段階で視聴予約として情報シャットアウト。
こにふぁー氏のSHIROBAKO記事も泣く泣く我慢。
SHIROBAKOアペンドカレンダーそれも2年分!も我慢しました!

そして今年、サクラクエストという?お仕事シリーズ?の新作が出て?最初のほうの評判がSHIROBAKOの焼き直しにならざるや!?というのを見かけて、そういえば積んでいるな…そろそろ見るか…と。

こにふぁー氏の熱の入った記事も読みたいし。

そして今更はてブ見たら叩かれてますねー…

もうちょっとあの記事(への反応)に言及したい。「SHIROBAKOはアニメじゃない、人生ですから!」

人気コメントはアニハラということと、コンテキストの非共有があがっている。4
まったくの妄想のことと断っておいて、
こにふぁー氏の当時?だったかどうか今もそんなに気質は変わらない場所にいらっしゃると思うんですけど、(IT業界ということも加味して)職場はまあアニメの布教を許せるコンテキスト、アニメ(も好む人たち)に一定の理解があるということも差っぴいて、
モチベーションにいい影響を受けたことを報告することに抵抗がすくない」んじゃないかなって。

仕事をする上での姿勢やチームワークの大切さなど本当に学びが多いです

これは記事全体とかまとめで言及されているのでそのままなんですけど、 SHIROBAKOって、アニメだから社内で広めようとしたわけじゃないんですよねえ…
アニメだから良かった。アニメだから表現できたってことは当然あるんですけど、
それを社内で広めたいのはSHIROBAKOが仕事であって、プロジェクトであって、皆で目指すものだったからなわけで…
ただ自分が好きな

巨人とか阪神とかサッカーとかAKBとか韓流とかプルーンとかエホバとか創価とか

を広めることとは別種の、「個人としての私から個人の皆様の私生活へ」ではなくて「仕事仲間の私たちへ」って感じなんじゃないかな。
物語の中では私たちのプロジェクトでも起こっている、起こりうることが渦巻いていて、その中での人々のさまざまなやり取りと、結局全員からありありと見える一本の筋が、組織の中で生きる人の、良くしたいって部分を刺激するんじゃなかろうか。
まったくの妄想のことと断っておいて

仕事がしたい!!!

そんなわけで、12話まで一気視聴した私の気分はこれ。
こんな風に、熱意を持って、仕事に打ち込み、より良いものを作りたい。
まあ現実の月曜日の自分は変わらず死んだ魚の目で独りプログラムを打つのですが。
彼らの仕事への情熱…かな。正しくないかな。向き合い方を受けとって、こっちも放出してみたくなるんですよね。
インプットしたらアウトプットすべし。ってのはミミタコワードですが、自発的にこうなるようなものに早々出会うべくもないので、貴重ですよね。
アニメでは困難にぶつかって約束された勝利の乗り越えというカタルシスがあるんですけど、それがなくなって各々の拘ってますシーンだけで熱量があっぷあっぷで、そのうえで各話締めていくので隙がない。

勝手に思う。ITエンジニアに響きそうなわけ。

これは後半、しかも思いもよらない人物から言葉という具体的形になったんですよね。
それが、アニメがあまり好きじゃなさそうな、新人進行の佐藤さん。
20話は皆の仕事観が言葉で具体的に聴ける話なんですよねー。

深く考えたことなかったですけど、私もやっぱり好きだからかもしれません。
(安藤:え!?どれ!?何萌えですか!?)
ではなくて、会社の雰囲気が。
こうやって一丸となって完成を目指す感じが。
(宮森:一丸かなぁ)
ジャスオンみたいな会社だと、お客様を満足させるとか、利益を上げるとか、効率をよくするとか、目的がいくつもあるんですね。
その点アニメはとにかく完成させるという大目標があって、それに邁進する状況が、すごくいさぎいいと思います。

ITのプロダクトのプロジェクトも似たような感じかなって。そりゃいろいろありますが、大目標はとにかく完成させること。
それに一丸となって、邁進…できたらいいですよねえ。
そして、原画班などで描かれる、些事でもこだわったり、自分の成長・挑戦として1プロジェクトに挑む。しかもそれがそれぞれの領域で起きている。

常にキャッチアップを行い、できればおおっぴらに、無理ならひっそりと組み込む。5
「良くしたい・良くなりたい」という気持ちを原動力にして。
それがフロントエンドでもバックエンドでもSEでもPMでもそれぞれで起きている。6
そんなチーム、いいですよねえ。あれば転職したいです。

大目標があり、そのために各々が各々のアプローチでベストを尽くしていく。いや、今のベストだけ行っていると成長がないのでチャレンジもする。
そしてなにより、みんなこの仕事が好き!!
ITに限らないお仕事の一種の理想郷がここにあるってなもんです。

(宮森が一丸にひっかかるのも面白いけどなんかわかりますよね。)

ゆえに、比較して平岡の磨耗っぷりがもうもうもう、たまりません。
こうなるよねって。
平岡は現実的な社会人の姿と自分は見ていました。(一度夢を追っただけでもすごいですけどね)
SHIROBAKO(前半12話)見ても、現実に反映できない自分だあって。
でも、理想の人物たちを見せつつ、現実の生き写しであるそんな平岡さえも救済するって…ね。
やっぱり転職がカギなのか

(少なくとも企業勤めのプログラマから見て)みんながSHIROBAKOを意識すれば良い職場になるって確信(妄信)させてくれる出来なので、そりゃ社内で広めたくなりますよ。
アニメだからと一蹴されないならね。
うちではしません。

会社の空気感にもよると思うので、慎重にやったほうがいいのは間違いないです。

好きなシーン

1話の宮森が歌いながら運転するシーン。
散々仕事観語っておいてそれかよ。
でも、楽しそうでいいんですよねえ…

好きなキャラ

田中理恵さん。
失礼ながら、声優のんにゃんにゃで意識していたのですが、それがキャラになるとは。
しかも良いキャラ。良い声でしたね。
何気におっきいのがいい!

あ、モデルはあまり知識がなくて拾えない人なので、伊藤さん、両水島氏、冨野、庵野、板野さん。
あと舞茸しめじはたぶんきのこだと思うんですけど、同人つながりの帽子から神主入ってる?(職種から別じゃん)って思いつつも、OH!スーパーミルクチャンのキノコバター炒め 舞茸秋子をずっと思い浮かべてたりね。

まあ、ことさら明言する必要ないと思いますが、全員好きです。

好きな声優

檜山修之さん。
一辺倒な人ではないので驚きは少ないんですけど、監督のキャラと合わさり演技が良すぎる!
キャラに笑ってるのか演技に笑ってるのかわからなかったですね。

映像。触れとく?

最近のアニメはどれもいわゆる「作画が安定」していて、知識不足も合わさり、よいとしか言えないのがつらいです。
でも、自分が好きなアニメの条件って、アニメから作り手の
「この作品が好きだ」
って気持ちが伝わってくる(推測させる)ことが条件で、
その点で言えば、SHIROBAKOはスタッフの気持ちが映像面でもとても入っている作品だと感じました。

差したい!水を!

べた褒めなんだけど!わかるんだけど!尺とかもあるんだけど!

原画であらずば人にあらず。
動画マン「早く人間になりたい」

自分の業界知識のうちの明からな未描写部分な、ただそれだけなんですけど、しかたないよね。邪推邪推。

終わり

キャラに言及するとそれぞれの記事にしなきゃいけないので終わり。
最後に、SHIROBAKOは、劇中劇があるし、アニメ制作アニメということでいろいろグルグルしています。メタって難しいから使いたくなかっただけです。
そこらへんは造詣が深い人がとうにやってると思いますが、備忘録で。
前半は、話中の話題はえくそだすっ!への結果として。
あとはネコやガヤとかが特徴的でしたね。
そして23話ラストの構図。
実はみんな別々に同じことを言っているなど、見返す魅力がある作品。
ちょっとこれはMP3化して日課にしたい。そんなセリフが目白押し。

会社で言えないからここで言います。
SHIROBAKO何度でも見よう!!

よーしSHIROBAKO記事、これで解禁だ。


  1. サブキャラが良すぎて~って方面で。

  2. 今見たら普通に超いっぱい受賞してる!!

  3. 未確認で進行形など、不意打ちで名作食らうのも楽しいのですが。

  4. スター調べたらこにふぁー氏もつけててほほえましいんですが。

  5. 卑近な例では忙しいのにプラグイン作ったりね。

  6. あまつさえ上司や社長までも!!(感涙

王女コクランと願いの悪魔 感想

よかった!!!!

よかったよ!!久々によかったよ!! 入江君人神さまのいない日曜日?魔法の子?タイトルで結構避けてたけど、読もう。

黒髪ロング清楚系は正義

と、言うわけではないのですが、安定した女主人公はいいですね。
タイトルでは二人?の物語っぽいですか、まさにコクランの一人舞台
彼女のキャラでぐんぐん物語にのめりこませてくれます!
王女として毅然としていて、影では優しい…と思わせさらにはっきりと一線を画す。 情はあるけれど絆されない、まさに完璧超人、ホームズレベルに描かれています。
彼女の指針は一貫しているものの、状況が理解できすぎているゆえに、どんな行動を起こすか読めない、不思議で魅力的な主人公でした。

ジャンルはなんだ!?

これは何小説なんでしょうね。
自分の場合は

  • (タイトルから)悪魔…メフィスト系(雑誌ではない)かな?
  • ランプの精か。自由にしてやるアラジン系かな?
  • おじからもらったのか…不幸にする目的の贈り物から始まる逆襲物語?
  • 願い事がない。悪魔は叶えるまで付きまとう。うしおととら系か。
  • 落し物…まさかのミステリ?
  • 悪魔が助手役の安楽椅子探偵
  • あ、こじんまりした日常の謎
  • キマシタワー
  • え、どうなんの…
  • ああ、コクランを愉しめばいいのか

1話から2話前半まででこのように遷移いたしました。
入間人間と同じくキャラの会話を楽しむ小説と解釈いたしました。
でも、もしかしたらトップになるかもぐらいの勢いがあって、どうしよう、とりあえず年間トップには据えてもいいかも。

舞台

後宮という閉鎖空間に、悪魔となでる程度の政情が絡まり(あと幽霊か)、停滞した時間が転がる感覚はよかったです。
キャラクターが新天地へ赴かない中で、どう展開するのか気になっていましたが、ああなって、こうなって…
ふーんそう調理するのかと。
もっと設定は練られてそうに感じた。というかもっと読みたい。

舞台

いちテーマが舞台なんですが、正直あまり羞恥せず読むことが得意な部類ではないので、ちょっとしんどかった。

愛すべきサブキャラ

コクランが陰のキャラとして立っているとすると、残りのサブキャラは悪魔しかり陽に分けられます。背景事情はあれど。
陽気を振りまくサブキャラにされど動じないコクランと、うまい具合にテンションを上げ、話の重さを適度に軽く保ってくれていたと思います。
特にヒルディナン。好き。
いわゆる負け犬負けイン、ひだまりスケッチで言う夏目みたいな…好き。
あと、アイネの周りのお姉さま。

ただ1点

メイドのキノンのキャラがちょっと異質すぎるように感じて、肌に合わなかった。
うーん、かなり不思議。ややアニメより過ぎたかな。
完璧よりの年上メイドなら良かった。コクランとコクラン系のキャラとの信頼の上の掛け合いが見たかったというか。

悪魔に触れないの?

狂言回しです。
大きなケレン味と、ギャグ時はやや現代のメタ(読者が慣れ親しんだ)寄りの、読者に寄り添ったキャラ、と捕らえています。

小説で表現する幻

悪魔はたびたびコクランに絢爛華美な光景を見せるのですが、小説の常として紙幅を使いそれをひとつひとつ表現する必要があって、そこに関してはアニメアラジンのようにバンと映像で表現できないのは、小説の特性として惜しいところであるなと感じた。
ただ、劣っているわけではないのだけれど、自分で考える以上、想像外の驚きや恍惚といったものはそれを与えようとしている幻覚から、読者自体は受け取るのは難しいのかな、と。
表現はよかった。どうしてもアラジンにひっぱられたけど。

開放されるものとしてのランプの精

お話はとりあえず行きそうな所へ行ったのですが、不意を打つような展開に関心してしまいました。
ははーんそうなるのか。じゃあ物語の終わりはいずこへ?と。
そして二人の薄氷の関係の大きな転換がおき、自分が好きないびつな友好関係を認識させた上で一度壊す。
もうここらへんはやられた!って感じでどうなるか読めなくなって、読むのがとまらなくなった…

ラスト

は、なんでしょうね。裏切られ、裏切られ、裏切られた。自分が。
そうなってしかるべきことが起き、そうなってしかるべきことが起き、物語としてそうなりうることで終わった。
どちらでもよかったが、そっちになったか。と。それで終わりなんだな。って心境でした。
単巻で終わるならいろいろできたなかでの一つの終わりでしたね。


と、感想を書くときに調べたら、2巻出てた…完璧に単巻だと思っていた。
読む…?
1巻で個人的には終わりでいいと思っているので、大変読みたいですが、しばらくは保留すると思います。別作品読んでからでもいいよね。

以上!文句なしの五つ星!読了後から読み直したい作品でした!

FF10 ストーリークリア HDリマスター

  • Steam版
  • トーリークリアまで
  • 寄り道多目
  • クリア時間約75時間
  • 上級者向けスフィア版
  • 試練の間は攻略参照

ナンバリングタイトルはFF5以来、2作目。
次は15になるのか…?

総評

よかったです。
ただし、Steam版独自の加速・チートがなければクリアできなかったでしょう。
ビジュアルもよく、ムービーは綺麗でPS2でこれを表現していたの?と驚くぐらい(HDリマスターの影響はわかりませんが)
戦闘バランスはボス戦が非常に楽しく、手ごたえがよい。
雑魚戦も無駄に稼がなければ楽しく感じられる間に通り抜けれると思います。チートなしでも後半は"さきがけとんずら"があるので吟味もそれなりに可能。
スフィア版は知識(類似品の経験)と覚悟があると寄り道が楽しい。失敗時の苦労は軌道修正のための稼ぎの増加なので、それを怖がると一本道げになる。
試練の間はなくていいです。RPGがしたい。
トーリーに関しては終始暗いですが、モチベを保つポイントを見つけられたので乗り切れました。シナリオ自体は気になるところもありますが、おおむね良くテーマを描けていたと思います。

発売当時の思い出

Vジャンプで見てました。
名前などが沖縄モチーフであることが印象的で、最初は明るい南国話でスタートすると思っていました。
イトーヨーカドーの店頭プレイでシンの背びれと戦っていた少年時代の思い出。
その後、大学時代に少し手を出したが、ミヘン街道あたりでダレて挫折。
その後、Steam版が半額セールだったので積むつもりで購入。

RPG履歴

ゲームはあまりせず、特にストーリーものは苦手。がっつりしたRPGをクリアしたのはクロノトリガーDS以来か?

ムービーゲーとしてのFF(イベントシーン)

うーん、正直慣れなかった。特に序盤は遊びたい!と思っているのにイベントイベントで操作できなくていらいら。
美麗ムービーはまだいいんですけど、通常のイベントシーンはセリフが飛ばせてもモーション待ちで時短できなくてストレスがたまる。
3Dの過渡期と見て以後こなれていくのか、この感じがデフォルトなのか現代のゲームをしないのでわかりませんが、00年代らしさといえばいいのか。疲れてくると飛ばしたくなるので、気力チャージしつつプレイする必要がありました。

トーリー

暗い!OPから暗い!最初の遺跡から暗い!ビサイドの4人が暗い!
真実を知らないティーダがのほほんと明るく振舞いますが、モノローグ形式という形で即座に自身で釘を刺す!!
そして物事の解決方法がベベルなりザナルカンドなりシンなりほぼカチコミのみという、キーアイテムなどがほとんどないことが気になりました。

召喚士たちの覚悟の話はよくて、道中の同士や父ブラスカ、ザナルカンドの思念とかよかったですね。

あと、シンはもうちょっと自主的に暴れてもよかったのでは?こっちから手を出す以外では背びれ戦のときぐらいですかね。 一応文明が発展すると来やすくなるそうですが、
プレイヤーにとってナギ節がスピラ住民より大切に見えないというか、災害頻度低くない?的な。 ただしこれは最終盤で、守り手たるガードの意識がシンになった以後も残っているということで、完全にシンになるまでは復帰直後でもややおとなしいのかなと思いました。
しかしシン現れてからとナギ節の回数見るに、なあ。
二度と復活しないかもしれないという希望がある点含めユウナレスカとかが言う希望なんでしょうけど。

死人

後半開始ぐらいから死人という存在が出てきますが、これがうーん、邪魔かなあ。
死の螺旋にとらわれたスピラ。死んだ人はそのままでは魔物になる。残った人は異界で過去を惜しむ。そんな中で死人が強い思念があったからといって闊歩しているのはなぁ…違和感が狙いかもしれないけど、やたらと主人公の周囲に死人が多いし。
実は周り全員天才でしたってジャンプ展開じゃないので、もうちょっと丁寧に扱うか、シーモアの狙いが全人類死人化とかでもなあ。
最悪、主人公パーティーの誰かが死んでもすぐ死人化するんじゃない?みたいなNARUTOの穢土転生祭り的不安が付きまとってました。

人物

リュック

癒し。彼女が居ないと続けられないくらい話が重い。
なんとか明るく前向きにティーダとともに振舞っていたから暗い話でも続けられました。
イチオシ。
FF10のやる気エンジンはリュックとジェクトの陽気とアーロンとルールーのシブさで持っていました。

ルールー

好感度一位はルールーでした。あとから調べたらなるほどルールーが一番になるように仕向けられてる感が理解できましたが、でもグアドサラムだかでルールー狙ったりしてました。
いいよね。

アーロン

しぶい!あのビジュアルに太刀はずるい!当時からこいつはスタメンとルールーはスタメンだなと思っていました。
プレイした結果の驚きは、10年前の髪型と性格がもっさい(笑)

キマリ

キマリは通さない はネタになるほど変でもなく良いシーンでしたね。
道中も正統派ツンデレで、溜めてた分後半のセリフがよくなるスルメキャラ。

スフィア版成長(戦闘)

上級者向けでした。

共通

とりあえずアーロン以外竜剣取得から。MP管理が面倒だったので、序盤が楽に。雷平原以降はサボテンダー?狩りでMP回復狙って道中は不要でしたが。

ティーダ

ヘイストとんずらはげます不幸あたりをとってリュックルートへ。
フレア取得からアーロンルートへジャンプして逆走。この逆送はリュックとワッカと一緒に。
リュックのための攻撃スフィアとさきがけでメインぶんどりアタッカーへ。
補助もヘイスト・アルベド回復薬で便利。便利すぎる。
OD技のための稼ぎが影響しました。

ユウナ

初期黒魔法4つとって白魔法ルートへ。ちょっと寄り道でつかう・盗むも取得。
黒魔法があると序盤はエレメンタル2体などが楽でした。あとはぐれオチュー。
やっぱりどうしても育成不足で、なかなかHP2000行かず。
後半はちょっとだけ黒魔法寄り道でラ系スキップのガ系をルールーより先に習得。一瞬だけメイン火力に。

ワッカ

ワッカルートを独走。何も考えずとも状態異常係とメインアタッカーに育つ不思議。ODはオーラカが楽でした。
ペナルティ3からつまってアーロンルート逆送。
工夫してないのに強いのがちょっと釈然としない。
石化武器に睡眠つけて技で暗闇と、適当にしても何か異常がつくような運用に。回避カウンターが手に入るので、ボス戦はそれで。

キマリ

器用貧乏にしまいと思ったのに器用貧乏に陥る不覚。難しいね。
アーロンルートからフルブレイク方向へ。とったら初期位置あたりのパラ上昇あさり。
攻撃力では結局アーロンに及ばずイマイチ。
ただ、アーマー・メンタルブレイクできるのは結果的にキマリのフルブレイクのみになったので、強敵の初手にはお願いしてました。
戦闘での一番の活躍って、オリジナルスフィアでシンの背びれに竜剣かませることなんじゃ?って当時の思いからあまり変わらない結果に。

アーロン

アーロンルートにヘイスガ寄り道の一本気。
ただ、アーマー・メンタルブレイクとらないルートにしたのは失敗だった…。
クイックトリック取得後にリュックティーダと位置交換。3人にクイトリとらせつつ、自分はものまねひろって、リュックのすばやさ拾いへ。
貫通は正義。高火力ほかくは正義。村雨クイトリヘイスガは正義と大正義アタッカー。
5回重ね系の補助がなかったのがやや手持ち無沙汰。

ルールー

ザ・寄り道女王。
ケアル・ライブラ・レイズなどとりながらルールールートへ。パラメーター寄り道しながらなので、ガ系取得がユウナレスカ以後という有様。
先にティーダから黒魔法スフィアでフレア取得(習得スフィアはこれだけだった)。
特筆すべきは戦闘面。高魔力の4属性アタッカーは貴重。
さらにかなり初期で手に入れた即死付き武器で道中の大型をブラインドアタックの通常攻撃でバッタバッタとなぎ倒していくまさかの物理即死アタッカーに。逃げないとつらいオチューやデュアルホーン、鉄巨人などをさくっと終わらせていく。
ナギ平原で石化がそろいだすまでまず一線級。
回復・攻撃・即死の三本柱でほぼレギュラーでした。

リュック

うーん、ティーダとルート共有した結果、やや影が薄く。
速さが同じでも攻撃力で負け、雷避けの攻撃力スフィアの恩恵もティーダとともに受ける形で差が広まらず。
便利なティーダがスタメンのせいでリュックルートを先行される形に。
しかし盗む・つかうは便利なので、準レギュラー。
睡眠改と毒改でぶんどりながら異常付加アタッカーに。
アーロンルートに行ってからは、強化しやすいゴッドハンドのAP2倍でルートリードできたが(それでもティーダはフレア寄り道している)、まあ終盤だしね。

音楽

浜渦!浜渦!浜渦!浜渦!
はい。
アレンジ版は使わずオリジナル版で。
ちょこちょこ印象深い音楽はありました。
が、祈りの歌が嫌いでつらかった…。
素敵だねも。ゆったりしすぎで好きじゃないんで、浜渦さん居ないとつりあいが取れてなかったなーと。

OP曲は苦手。暗くて。
対してザナルカンドにてはよかった。シナリオ・演出補正も多分に入ってますが。
ただ、

っとぱっと思いつくもの結局浜渦氏なので、そういうことです。
あとはシーモアバトル?
と仲野さんの印象が薄くなってしまった。既知2名に未知1名の構成では致し方ないか。

ナギ平原

狙ってると思いますが、開放感すごいですね。
2日ぐらい浸ってました。

チート

倍速(4倍速)・エンカウントなしor増加・通常攻撃のみのオートバトル
最高!
これがないとプレイしてない!
特にナギ平原なんて歩いてられるか!
捕獲にも便利!

存在知らずに購入したんですが、あってよかった。
あ、強化やアイテム・ギルチートは自重しました。
また、イベントスキップの方法を理解したのがラストムービーという始末…

ブリッツボール

ティーダゲー。オーラカメンバーでもクリアできる。
ティーダが2人集めてジェクトシュート。
タックル回避Sついたら3人集めて突破ジェクトシュート(付け直しが面倒なので1人確定回避に使う)
中盤まではそんな感じで、周り20レベルぐらいの時期に40レベル行って、格差によりさらに決まる。
逆にもう一方のFWは育たない…
こういうと大味ですが、結構のめりこみました。
数日はストーリー進めるつもりがブリッツで終わったかな…疲れますしね。

締め

力作・大作感が伝わる作品でした。
メインストーリーだけでおなかいっぱいになりましたが、さらにやりこみもあるのでやるなり動画見るなりで充実感がありますね。
10-2や、2.5など、現在は暗い話もありますが…それでも楽しめる作品なので、星4です。